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電子楽器、音楽、コンピュータ、プログラミング、雑感。面倒くさいオヤジの独り言

愚問の骨頂 / 中原英臣・佐川峻

正解は「問い」の中にある
あらゆる角度から「問いの構造」を考える

愚かな質問の宝庫である”人生相談”に対して、賢問の宝庫とも言える、歴史に名を残す科学者の問いの違い。そこに具体的な仮説や客観的な事実が含まれており、検証可能な論理展開があるのか/無いのか。
特に、一般的な問いが、「いかにくだらないか」を鋭く指摘し、”科学の目”がきらりと光る瞬間が心地よい。行政やアンケートが問いかける愚問の数々とまやかし。花粉症の原因は杉花粉ではなく、ディーゼル車が出す粉塵である・・・その証拠に・・云々とか、「院内感染をどのように減らすか」は問いの立て方が間違っており「なぜ大病院に院内感染が多いのか」であるべき!とした上で、なぜ大手病院で院内感染が多いのかと言えば、土足で病室にどかどかと入るからだ・・とか、

「上がり続ける医療費をどのように補うことができるか」という質問に対する指摘が鋭い
この問いからは、患者負担を増やす、税金を増やす(予算を増やす)という結論しか導き出せない。
患者の数が増えるのはなぜか?なぜ医者を増やす必要があるのか?
事実は筆者によるとこうだ
・患者が増えるのは、健康体と病気の閾値を厳しくして、病人を増やしているからだ
・患者を減らして医者を減らせば医療負担が減る
・それでは、病気を生み出し続ける原因は何か?→原因の追究と改善が根本的な対策
問いの中に愚かさと賢さが現れている
アホな問いは何も生み出さないだけでなく、時間の浪費に終わる。
「なぜ我が社の売り上げが伸びないのか?」なんていうくだらないテーマで、無駄な会議を開催しているのなら、「なぜ同業他社の○○という商品は売れているのだろうか」と問い、研究すべきだ。たぶん、他社の研究も、自分の経験も出し渋るような怠け者が集まって「我が社は・・・」云々と、無駄な話し合いをしているんだろう。
問いの発し方で、答えがおのずと決まってくる・・・言っている。優れた本だ。
読書で他人の知性を感じたのは久々であった。

そうだ!社内の疑問・問いを全部集約して、社内のインテリヤクザ(無駄な仕事を生み出している張本人)を特定したり、もっと具体的な問いを発するべきだ!なんてなってみようかな。
「おにぃさん、おにぃさん、そんな問いの発し方じゃぁ、すでに結果は見えてますよ」って感じで。
いやぁ、嫌なヤツだなぁ