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改訂版 日本マスコミ「臆病」の構造〜なぜ真実が書けないのか/ベンジャミン・フルフォード

ヤクザリセッション、泥棒国家の完成・・などで「政・官・業・ヤクザの不正が日本を破滅に導こうとしている」と繰り返しているベンジャミンフルフォードの新刊。
基本的な主張はコレまでと同様だが、今回はこの不正を知りながら、報道しない”チキンなマスコミ”について批判している。

宝島社から出ていることからも分かるが、警察、皇室、ヤクザ、右翼、差別、政治家、創価学会について「なぜ書かないのだ!」と叱咤している内容。ちょっと陰謀論的な危うさも感じる。
筆者は「ヤクザや政治の腐敗やいんちきな金融を国民が知らない」と仮定しているっぽいが、これは間違っていると思う。
宝島をはじめ、今はなき”噂の真相”、”ナックルズ”などダーティーな側面をあぶりだすような書籍はたくさん本屋で読むことが出来るし、金融腐敗や政治の堕落についても色んな活字、映画が出ているではないか。
これらを読んだり、見たりする人が少ない、マイノリティであるというのは、別に驚くことではないのではないか。
皆が知るべき情報ではないし、もし国を牛耳る権力があったとして、彼らが「国民には真実は必要ない。食べ物と人生のフィクションを与えておけば良い」と思っていたとしても、実際に国民がそうなのであれば仕方がない。
税金が不当に上がり、年金が支払われなくても、濡れ手に粟で大金を手にする悪党がいても「しょうがないなぁ。家計費がつらいなぁ」と何となく暮らしているのが幸せなら、メディアや作家が何を言っても無駄というもの。
そう、この人は真実を暴くのが自分の正義だと思っているフシがあるが、日々暮らす人たちにとっては「大きなお世話」である可能性もまたあるのである。
自分も含め「危険なこと、汚いことに関わりたくない」”チキンな国民”がほとんどなんだから。
外国人という特権で日本という外国の”朽ち果てたシステムの不正”を暴き、「お前らチキンだよ」っていうのは、非常に失礼だと思わないかい?
ヤクザに怯えながら日々暮らしている銀行の偉いさんや、スキャンダルを握られて右往左往する政治家、不正だろうがなんだろうがしなきゃ生きていけない立場の人間が、うようよいるわけでしょ多分。
汚いもの、不正なもの、見たくないものにふたをしながら、きらびやかなTVや面白おかしい雑誌、ワイドショーにうつつを抜かし、おいしいものを求めて休日は混雑をモノともせず、適当に好きなモノを見つけて没頭してみる。
こんなのも幸せでありうるわけですよ。