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電子楽器、音楽、コンピュータ、プログラミング、雑感。面倒くさいオヤジの独り言

ロボットの心(7つの哲学物語)/柴田正良

脳と心、機械と知性・・・
哲学ファンタジーへの招待
ロボットも心を持てるのだ!?の帯コピーを見て購入。技術的な内容っていうよりも思想とか哲学の側面からロボット、心を扱った内容。
最近、AI関連の話題では、”クオリア”とか感情、情動といった単語を良く聞く。
まだ良く知らないが、マン-マシンインタフェースの研究で必要なんだろうなぁ。機械が感情の機微を読み取ったり、微笑み返したりっていう機能ね。人間の側の誤解を利用したそうしたやり方ってのは、”感情表現を顔の筋肉の問題として片付けちゃう”ような”安易なロボット工学”みたいで好みじゃないけど、実際に人間同志で感情表現しあっていること自体も誤解だったら笑うね。
脳がすべてコンピュータみたいな論理で動いているんじゃなくって、アナロジー(相似)で”これまでに処理した情報に近い/遠い”なんていう自動処理の結果だったら・・・って想像するのは辛いなぁ。
実際に、緊張するから筋肉が収縮したり、心臓がバクバクするんじゃなくって、心臓がバクバクする現象を感知した脳が”緊張”を作り出すっていう説もあるくらいだから、単純な原理に帰結させちゃうようなロボット工学って結構本質かもね。
「安易なのは人間でした」「くだらない生き物なんです、実は」なんて学問的に結論が出ちゃったらどうしよう。(笑)
この本を読みながら、「心を持つロボットって出来るんだろうか?」って考えてるようで、実は、「自分が心って呼んでるものって、何のことだ?」っていうことを考えてるんだよね。
でも、心のどこかで「人間って高等な代物だと考えたがるが、ほら、この通り単純なもんなんですよ」って結論を待っている。複雑系の研究なんていうのも面白いテーマだよね。「複雑ってこういうことよ!」って脳の機能から説明してくれたら面白い。