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電子楽器、音楽、コンピュータ、プログラミング、雑感。面倒くさいオヤジの独り言

いたこニーチェ / 適菜収

ニーチェが分かると今の時代が見えてくる。
笑って学ぶプチ哲学小説。
・・のコピーがちと痛い。
物語は、主人公の前に、いたこのように憑依したニーチェ先生が現れて、主人公の世界観(プラトン的、キリスト教奴隷哲学的)を脱洗脳し、世界観を再構築するというもの。
高貴であることのしるし、それは自分の義務を、すべての人間の義務にまで引き下げようとは決して考えないこと。
という一文が出てくる。説教くさい小説だが、時折、こういったニーチェっぽい言葉が出てくるのが楽しい。
精神的な人間は重い課題を特権とみなす。そして、弱い人間だったらおしつぶされてしまうと感じるような重荷を、もてあそぶのだ。
なんて勇気の出る言葉なんだろうか。奮い立たせる言葉。
やっぱり他人が語るニーチェよりも、ニーチェの言葉そのものに触れたほうが良い。ツァラトゥストラを読み直そうっと。