■起こったこと
2020 年の春頃から、コロナウイルスが猛威をふるい始め、勤務形態としてリモートワークが可能になった。
通勤の移動時間が無くなり2時間以上の生活の時間をセーブでき、身近への興味から、猫を保護して家の中で飼うようになった。
仕事中心、勤めが100 %の生活から、生活や趣味が中心で、8時間だけ仕事に割り当てているというような、QoLの向上があった。
オンラインセッションツールシンクルームも、この時期だから注目したに違いない。
また、2021年の年末には、手術の入院を経験し、もういつ突然死んでもおかしくないし、死んだところで会社も世の中も相変わらず進んでいくことも思った。
そんな中でも、この2年変わらず続けていることがある。
ドラムであり、クラシック音源漁り。
■クラシックにドラムをつけること
何百年も継ぎ足し継ぎ足しで、純度を増しながら継承している西欧音楽。
ドラムをつけようと思ったはじめの一歩はべートーヴェンのピアノソナタ テンペスト。
小学校の頃に出会った、あの激しく美しい曲。
まずベートーヴェン沼、次にヴィヴァルディ、モーツァルト、バッハ(バッハはオケだけずっと前からやっていた)、フォーレ、エルガー、ムソルグスキー、プッチーニ、パガニーニと色んな作曲家をつまみ食いしてみて、最近はまたヴィヴァルディが楽しい。
特に、大学の頃に夢中になった、ネオクラシカルメタルやプログレッシヴロックのテイストが好きだ。10分以上の曲の構成も当たり前。第1楽章から第3、第4まで続ければ20分以上にもなるが、作曲家が一曲の構成としてコレを作ったなら、ある楽章だけ取り出して、構成するのは抵抗がある。
クラシックにドラムをつける際の自分あるあるについては、別の文章に書いたので、ここでは書かない。
■定番となった機材
コレを手に入れて本当に良かったと思える機材がいくつかある。長いこと使っているものも、2020年以降に買ったものも。
・V-Drum
筆頭はコレしかあるまい。これがなきゃ始まらないというか、「演奏できます」と言える楽器はこれだけだから。
V-Drum TD-9ツインペダルキットを始めに2009年に買って、はや13年。途中TD-17に音源だけアップデートしたり、バスドラをメッシュパッドに変更したり、ハイハットペダルを更新したりしたが、なかなかのロングライフ。
音的にも、スネアとバスドラムをプリセットから加工して、胴鳴りとかマイキングの自己ベストを編み出し、かつ後述するようにコンプとイコライザをかけて、マイサウンドが出来た。
・MS2000B
Theベースマシン。自分の中の超定番ベース。
日本人における醤油みたいなもの。
B08のラインベース。
なんにでもコレを入れる。
和音も出るし、フィルター次第でエッジのあるベースも、モコモコベースも行ける。
もこもこしていても安定の存在感。
YMO中期のデケデケデッデデのイメージ。
これが、エレクトロ以外の、オーケストラ音源とも馴染むこと。ムーグほどアクや存在感の主張がなく、チェロ、コントラバスのように使える音。
コレが無くなると困るからと、もう一台をコールドスタンバイしているくらい。溺愛。
・Motif XF6WH
信頼できるワークステーションシンセサイザー。生系の音も、エレクトロな音もコレがあれば何でも鳴らせる。特に、ヴァイオリン、チェロ、ハープシコード、オルガン、フルート、ホルン、チューバなどのオーケストラ音源と、ムーグ、オーバーハイム、CSなどのアナログシンセの音を多用する。
リバーブ、ディレイの残響音も綺麗で、ほぼかけ録り。エフェクトも音色の一部という考え方。MX61以降で目覚めた。
マルチトラックで鳴らす際のシーケンス画面も、ミキサー画面もお気に入りで、これがあるのでPCによるシーケンス制作に終止符を打てた。
SMFを落としてきて、XFで音色を割り当てて、QX5でMIDIチャンネルの制御をして、MSやminiNovaを鳴らすのが定番。
白い筐体も、向かい合ったときの幸せな感じに一役買っている。黒かったらちょっとした気分が変わってしまうと思う。
・miniNova
超ド定番のパッド音が欠かせない。
B25のサイン波パッド、B27のシンセストリングスは常にどちらかの音が、あらゆるオケに入っている感じ。
ムーグタウラスも美味しい。エゲツない、ちょっとローファイな感じが好きで、遅めの曲で通底低音といえばコレ。
パッチシンセのような謎のシーケンス音、TB303ライクな賑やかなエレクトロ音。面白い音を足すならコレ。元のシーケンスにはない、電気臭さを足したいときに混ぜる。
・VS2400CD
音として残すレコーダとして、重宝している。
エフェクトボードを2枚入れて、HDDをSSDに換装、外部ディスプレイを活用するなど、完璧なPCレスレコーディング環境。
コイツもなくなると困るので、完動品を入手してコールドスタンバイしている。
いつしか、コンプとEQ をかけたタイコの音が定番となり、出したかった音で、気持ちよくドラムを叩いている。
コンプの効いたスネアとバスドラムは、ライブハウスで聴くメタルドラムのイメージ。
イコライザは200Hzでバスドラム、1-2kHzでスネアとシンバルを鋭角化。
まぁ、ドンシャリで、生っぽくはないのだが、PAを通した音響装置のようなタイコの音が好きなので仕方がない。
アマチュア音響エンジニアが出しそうな音とでも言おうか。
・Q8n4K
一番新しいお気に入り機材。
叩いてみた動画を上げ始めたのは、コイツのお陰。2021年12 月にサウンドハウスサンタさんが届けてくれた。XLRケーブルでライン録音できるミュージシャンズ4Kカメラ。
4Kなんていう画質は叩いてみた動画には不要なので、720pで撮っている。音だけ良ければ、画質は、どう叩いているかを確認できれば良い程度。
このカメラはつくづく良い。何よりもライン入力。VS2400CDからのアウトプットが本当に良い音。一度ウェブキャスティングミキサーAG6を通しているのでこもっているのだが、それでもかなりのハイファイ。
今後もコレで叩いてみた動画を取り続ける事だろう。