随分時間が経ってしまった。
2021年の7月頃に、KORGのwavestateという”まともじゃない”シンセを買った。
名前から想像ができるように、Wavestationの進化版で、Wavestationの資産を100%継承した上で、モダンなPCM、強力なフィルタ、エフェクトを搭載している。
ベクトルシンセのアイデンティティ、XYジョイスティックで、音色変化が楽しい。
このシンセ、やたらと宇宙的な空間系パッド、劇的なシネマサウンドを生み出す。
ドラム音源が無く、マルチ音源でもないが、出音のインパクトは、最近のシンセの中で一番だと思う。
いわゆるワークスステーションでなんでもできまっせでも、アナログシンセで過去を再現するでもなく、シンセサイザーが最もおいしい、”一発必勝”の音が、ギッシリ詰まっている。SE専用マシンかもしれない。
これでわずか6万円。
■劇的なシネマサウンド
ホルンとティンパニから構成されるプリセット音が最高。
Trailerheadのような2分でクライマックスなオーケストラ音が目白押し。シネマティックなストリングスの音も良い。
■スペーシーなパッド音
サイン波がフィルターで蠢く、フィードバックする音が最高。
オーバーハイムの図太いブラスパッドもあるし、テクノトランスなスーパーSAW的パッドも、TBライクなアシッド系ベースもある。
■販売されているパッチで電子音楽なSE系音色の拡張
LFOStoreから出ているStratosphere,AnalogDreams、NewEra,Cinematicaなんて最高。
自分ではとても作れそうにないが、wavestateのポテンシャルの高さを感じる。
何の音というのが形容しがたく、まさにシンセサイザーの音なのだが、地球のマグマが噴き出るがごとく、隕石が衝突するがごとくの想像力を掻き立てる抽象的な音色のオンパレード。
意味深な持続音ならコレに任せろ。
な貴重な1台なのである。