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電子楽器、音楽、コンピュータ、プログラミング、雑感。面倒くさいオヤジの独り言

Fantom X6と言う謎のシンセ

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◾️ヤフオクで67500円!

未来から銀色のクソ重いシンセがやってきた。

そう。この見た目に惚れ込んだせいで、同じ7万円のレンジの中古で、最新のFA6ではなく、コイツにしてしまったんだ。

あぁ、チョイスミスかもしれない。

やっちまったのか俺。

 

◾️ヤバイ時期のヤバイワークステーション

2004年発売って、この頃メーカー各社揃って全体的にやばい時期なんだ。カラー液晶とか、コンピュータに似せたワークステーションが、ゴージャスな装備をウリにした時期(想像)。^_^

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VGA程度の画面と、ファンクションキーにUIを任せて、どうだい!凄いだろう?って感じ。凄いんだけどね

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マルチで鳴らして、エフェクト、MIDIコントロール、ウェーブ編集とか、一覧性を確保したのは良い事なんだ。

 

でも、音色をバンクや番号キーで呼び出すのをやめてしまったから、ポンポンーっと音を選べないし、音作りというものではないんだ。

メニューを呼び出して、タブを選んで、ダイアルをコリコリして、エンターを押す。

音を変えるだけで、何回ボタンを押すのやら。

ボタンへのタッチ数が増えたから、直ぐによく使うボタンがヘタる。(実際に、よく使うファンクションキーやパッドがへたっている。強く押さないと効かないとか、何度も押さないと効かないとか・・地味にイライラする)

これ、楽器としては絶対にダメな設計なんだよな。ファンクションキーに頼るやつ。

 

◾️PC的インタフェースの嫌らしさ全開

まだまだ洗練されていないのは明らか。

大型カラー液晶が付いたのがよほどうれしいのか、スクリーンセーバーやら壁紙やら、妙なアニメーションやら、初期のPCでAfterDarkだとかスクリーンセーバーでわくわくしたことを思い出すよ。本来の目的で使うよりもスクリーンセーバーの方がCPUのパワーを使うとかね。本末転倒。半導体のパワーをこんなところで使うべきではないんだよ。

 

インタフェースの話に戻す。

トラックのミュートがPadで出来るとか、工夫はしているのだが、16個Padがあるってことは、トラック関連のすべての設定でPadを使うように統一して欲しいところ。

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ミキシング画面で、カーソルを合わせて、ダイアルで値を変えるのもPC的な嫌なインタフェース。せめて4本スライダーとツマミを用意してくれて、ボリュームとpan位は直感的に操作出来るようにして欲しかったところ。(最新のFantomはタッチパネルになって随分良いんだろうねぇ)

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エフェクト設定も、バスだの接続パターンだの、いかにも「こんなに自由度が高いんだぜ」的な、面倒くさい理系の人みたいな感じ。(そう自分のことなんだけどさ)

ディレイとリバーブはマスターエフェクトとして簡単に触れるのだけが救い。

 

◾️音は?

音の傾向は、コレはもう、The Roland

JVからXPの流れ。

木管金管、ピアノ、弦楽器、ギター、まずまずリアル。レイヤーで作られた音はすごくゴージャスだけど、単体だと平凡な感じ。

シンセ系はやけに充実していて、特にシンセストリングスやリード、ベース。Jupiterとか、JunoとかJDとかの感じ。

図太いアナログ的な音はあまりなくて、高域でキラキラ鳴っている。

 

図太くてえげつない音でガンガン前に出るというよりは、軽音サークルで女の子がひっそりと弾いてますな音。なんだこの喩えは。フェミニストが聞いたら怒られそうだな?^_^

でも、フォローしておくと、全体的にすごくハイファイサウンドで、Good。

 

◾️ドラムの音

フュージョンなんだなー。タイトなスネア。

ライドカップの音やスネアの高域が良く出ているところは大好き。

太鼓自体の音は、間違ってもロックではないし、メタルなんてとんでもない!という音。タムはどーーんと塊感が欲しいし、ツーバスでドスドスと胴鳴りみたいのが欲しいんだけど。

タイトだけど。優等生的でおとなしい。

金物の音も上品。

 

シンセサイザーとしての機能はちょっと渋めのコメントになってしまった。

 心を入れ替えて、今度はデジタル部分の素晴らしさを書いてみよう。→続く

 

◾️後日談

所有してから暫くが経ち、SRXというエクスパンジョンボードの存在を知る。

ドラム、オーケストラ、エスニックなどなど

欲しい音がたくさん。別売ではあるが、存在することを知ったのである。

ドラムなんかは、上記で嘆いていた胴鳴り、メタルに使えそうなバスドラがまさに!という感じだし、オーケストラのリアルさはMOTIFにも肉薄する。音の存在感が全く違う感じだ。

 

ずるいなぁ。Roland

4枚のボードを選ぶ日々が始まってしまう。

U220のPCMCIAカードを買い求めたように。

あの時もドラムとエスニック、SFXは必須だった。^_^

音源モジュールが買えちゃうような値段だ。