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FantomX6のサンプリング機能は素晴らしい・・・がやはりファイル管理がダメか

FantomX6のサンプリング機能が素晴らしい件を書いてみる。

FantomX6の第一印象は、著しく悪かった。ファンクションキーの多用やちぐはぐなパッドの使い方などの操作性についてだ。

しかし、サンプリング機能は(操作性は相変わらず悪いものの)とても良い。

サンプリングしてからエディットして、パッチなドラムキットにアサインして、すぐにミックス画面で呼び出して、シーケンスに組み込める一連の作業が”比較的”簡単にできる。

■サンプルをエディットしてドラムキットにするまで

・オーディオからサンプリング

iPhoneをInputに接続して、レベル合わせ。Samplingでレベルメーターが出てくる。

AutoTriggerでiPhoneの再生と同時にSamplingを開始するとちょっといい感じ。

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・波形のエディット

ZOOMで縦軸、横軸を見やすいように最大表示できるようにして、StartPont、LoopPoint、EndPointを決める。長尺のサンプリング素材は、Divideで複数のサンプルに分割しておいた方が後々使いやすい。(シーケンス内でのタイミング合わせがやりやすい)

しかしDivideの使いにくいこと。複数のポイントをマークしていくのだが、マークしたポイントにすぐにジャンプして再生するのが地味にイラっとする。分割すると順番にパッドにアサインされて、すぐに確認できるようにはなっているのだが、分割する場所を再設定するのがやりにくいのだ。

ここはEndPointをリハーサルしなら繰り返し再生して決めたいところだ。

 (自分がやり方を知らない可能性は多々ある)

 

BMPを自動的に合わせる機能があるのだが、こちらはリズムものでしか使えないと思って間違いない。結局はシーケンサーのクロックとテンポを自分で取って、値を入れるしかなさそうだ。小数点以下のBMPの値は、Shiftを押しながらとか、分かりにくいわ!。

(なぜ、小数点以下の値にカーソルを当てて、ダイアルで調整できるようにしないのか?)

 

・波形の保存(ちょっと独特)

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波形を保存するときの考え方も少し独特だ。エディットした分だけテンポラリに保存されていて、どれがどれだか分らなくなってる。しかもこのままメモリーカードに保存されているのではなくて、Writeをしないと電源OFFで消えてしまう。DIMMを使って非破壊に保存されていて、編集済みの最終成果だけをフラッシュメモリーに保存する・・という仕組みなんだね。(書き込み動作に時間がかかるし)

「書き込み対象にマークして、Writeを押したら、マークした分だけを一括で書き込む仕様なのね!」と一応理解する。

それにしても、ステレオサンプルの場合はLR別になっててグレーで選択できないようになっている。そこはステレオサンプルをデフォルトにして、モノの場合は(MONO)とかして保存は素材ごとにしてくれよと思う。液晶でリスト表現できる行数は倍使えるし、ファイル管理もサンプル単位になる。なぜ、LRを別素材として扱う?

別の場面でも(何度も)思うのだが、ファイル管理の単位や階層がダメすぎるような・・。

PerfomanceとPatchとKitの関係が良く分かっていないだけかもしれない。

 

・ドラムキットに割り当て(どこから呼び出せるねん!)

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話が前後するが、波形を複数に分割すると、「ドラムキットとしてアサインする?」と聞いてくるので、「おぅ、そうしてくれ」をすると、鍵盤にアサインできるようになった。しかし、ここの編集画面を後に呼び出すのは最悪にわかりにくいことになっていた。ドラムキットの編集は、Patchの編集画面なのだ。呼び出し元はパフォーマンスミキサーなので、そこから出せるものだと”直感的に”理解していたのだが、見事に裏切られる。

割り当てたい鍵盤を押して、呼び出す素材を割り当てていく。ここで嫌なのはLRを別で選択できること。StereoPairとかの機能があるようだが、操作がマニアックすぎる。

 

・ドラムキットの保存

サンプルをアサインしたドラムキットを名前を付けて保存する。ここはEthnicSamplesとかにしておこう。

 

・パフォーマンスでの呼び出し

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作成したドラムキットを、パフォーマンスのPatchリスト画面から呼び出す。

UserCardに作成したキットがあるはず。(どこに保存するというのがこの先とても重要な気がする。)

 

・パフォーマンスの保存

パフォーマンスとは、言わずもがなだが、各Patchの設定やPan,エフェクト情報を一元管理しているProjrctみたいなもの。以前は、Layer、Split設定がPerformanceだったが、Multi音源として全パートを鳴らすようになってからはPerformanceと呼ぶようになったらしい。以前はMultiTimberとかだったよな。

ここは、新しい言葉を使っても良かったんじゃないか?VSがそうしたように、Projectが良かったと思う。新しい言葉には新しい定義があるとユーザに思わせることができるので、PerformanceはあくまでもPlayer用の演奏設定であって、Projectはその上位のミキシングやオーディオの設定を含む”ミキサーコンソール”のことを言っていますよと。

ともあれ、Performaceを保存しないことには、次に使えない。

(もっと言えば、Pacthやドラムキットを個別に保存しておかないと、ロスすることになる・・・わかりにくい)

上位のPerformanceを保存したら、一時的な名前であれ、内部でユニークなファイル名を付けて、一括保存していただけると大変に助かる。

※Songモードでは、すべてのパラメータを保存しているらしい。外部シーケンサーを使う時でもSongを作って保存しなさいということか?ここはPerformanceにその役割を担わせてほしい。

 

■製品化に当たって苦労しただろう、しかし・・・

従来のJV、XP、XVを統合しつつ、新たにサンプリングワークステーションの機能を追加して、かつ、分かりやすくユーザに提示する。

もの物凄く難しい仕事に、Rolandの開発者は直面したんだろう。Timber、Path、Performance、Mixer、Effect。ユーザを混乱させないためのギリギリの選択をしたんだろう。

しかし、だ。

ユーザが求めているのは、既存の機能の踏襲ではなく、新しい操作体系だったんじゃないか?と思う少なくとも、自分はそうだ。

Mixer画面ですべての情報を集約して、ここから必要なら素材に入っていく。Mixer画面で呼び出せるすべての設定は、WriteとかSaveすれば、全部そのまま再現できるように保存されていて欲しい。

実際に、保存したPerformanceを呼び出しても、ドラムキットにサンプルがロードされていなくて、再度PatchEdit画面に入り込むとか。

サンプルはメモリ内にLoadしなければならない・・・なんて。

「知るか!」と思う。

Performanceを呼び出したら、必要な素材が自動的にロードされていて当たり前なんじゃないか?と無理難題を言ってみる。

当然、いつものメモリーカードがそこに刺さっていないかもしれない・・とか、Performanceを他の個体に持ち出したら再現できない・・とかあるかもしれない。

・・・が内部で管理している膨大なファイルや設定を、整合を保ったまま、完全にまとめるファイル管理の仕方があるはずで、ユーザが膨大なライブラリを、ファイル単位で自分で管理しなければいけないようなものは、MS-DOSみたいなものだ。

近年のソフトウェアの例では、これをXMLで階層管理して、オブジェクトとして扱えるようにしている。(内部的にそうなっているのかもしれないが)是非そうしてほしいところだ。やりたいことは、ユーザが操作したことは、すべて完全な状態で保存できていて欲しいということ。WriteだとかSaveを押したら、名前を付けて保存だけして、再現性を担保して欲しい。それだけなんだ。

自分がPatchを保存したのか、Sampleを保存したのか、Performanceは?RythemKitは?とか意識させないで!。(使いこなそうと思ったらいずれ理解しなきゃいけないんだろうけど)

 

いまいちユーザ寄りじゃないんだよなぁと言うのが、Fantomに対する苦言。

(少し前に持っていたKROSS2の方は、サンプリング機能がもっとフレンドリーだったよな。色々できないのかもしれないけど)