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電子楽器、音楽、コンピュータ、プログラミング、雑感。面倒くさいオヤジの独り言

ああ、顔文不一致/勢古浩爾

文武両道とかいう話ではない。言文一致でもなく、”顔文一致”について無謀にもしたためた一冊。
要するに”顔は作られる(人生の深みが刻まれる)”、"文章と行動は一致すべきである"から”顔と文章(思想)は一致しているか?”との問いを強引に導き出し、そして顔を語ることを楽しむという趣向なのである。
顔を語ることは楽しい・・というか、誰でも顔に無関心でいられない。
正式書類にはすべて顔写真がある。声紋でも指紋でもなく、顔なのである。
親の顔を見たい・・・犯罪者の顔を出すべきだ/出さないべきだ、美容整形の議論に見る宗教戦争的な熱狂。
顔をIDとして固体認識をしていること、表情が言語や論理よりも大切だとする説(ノンバーバルコミュニケーションなんていわれてる)・・などなど、人生の分だけたくさんの顔を見て、何かを推測したり判断したりしているわけであり、顔が重要なのは言うまでも無い。この作者が、”顔と人生と思想が一致していることにこだわる”のは、”崇高な思想ではなく、そうにしかならない生き様だ”とこれまでの著作で主張していることの延長線上にあると思われる。
人の顔をああだこうだと論じることが下品であることは百も承知だが、やっぱり面白い。(筆者は優劣、美醜を論じてはいないので誤解なきよう)
「その顔でそういうことを言うか!お前は?」っていうやつである。
楽しいに決まっている