保守のスタンスを貫く男”西部邁”の戦後史である。
何をネタに語っても、”歴史（死者の声）の英知とのバランス”なのは、この方の芸風だから良いとして、文体が良くない。雑誌”本日の雑談”で見せる風刺めいた語り口や、強烈な毒舌が全くないのが残念。これは政治や経済、歴史問題などのシリアスなテーマであることから来るのであろうが、イングリッシュ（英語）で語ってからジャパニーズ（日本語）でコメント（補完）するスタイル（物言い）が、なんだか気になる（笑）。
もちろん、かぶれているのではなくって、専門書に出てくる原文の尊重と、西部氏の解釈を併記することで、純度を保とうとしているのであろうが
それが気にならなければ・・・
公共心、老婆心、批判眼を深く湛えた、”一貫した保守思想”から読み解いた戦後史がサクサクを頭に入る。
