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就寝中の激痛〜なんと!ムカデに噛まれた(T_T;)

ムカデに噛まれるという経験はなかなか渋いです。毒を持っているという半端な知識だけでオタオタし、妙な妄想で自ら恐怖を倍増させてしまうから笑いモノです。(汗)
しかし、噛まれるとパンパンに腫れてしまうとか、ショック症状を起こすなど、なかなか侮れません。
今回は、でっかいムカデではなく、子供だったので「いてぇな畜生!」程度で済みましたが、あの足がオレンジ色の本物の大人のムカデだったらと思うと、恐ろしく、これしきの小さな生き物でさえ克服できない、文明人である自分を呪いたくなります。(笑)
ムカデ対処法
夏の天敵!蚊・ダニ・毛虫・ムカデが狙ってる

何が起こったのか、タイトルや上記で明白ですが、ここはひとつ敬愛してやまない、HPラブクラフト調に再現してみます。

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓ 恐怖小説ここから  ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

連休中の某日、夜中2時
ムニャムニャと夢心地の幸福な時間を、ヤツがぶち壊しにしたのだ。
あの激痛と底知れぬ恐怖。
今の私は、その瞬間の体験を思い出すだけでも、背筋が凍る気がしてしまうのである。
アレに出会ってからというもの、私はすべてにおいて恐怖を感じ、今こうして原稿を書いている間でも、その邪悪な存在の影に怯えているという具合である。

昼間の疲れを早く落とそうと、心地の良い布団に入り、かれこれ2時間は経ったのであろうか。
突然、足の指に激痛を感じ、飛び起きた。いつもの鈍重な私であれば、あれほどの体の俊敏な動きはありえなかったであろう。その程度に反射的に体を折り曲げ、痛みの根源をすかさず見る。
「うわぁ。なんだこれは」
深夜の静寂を私の叫び声が切り裂く。
薄明かりの中、黒いもぞもぞとした長いものが、弱々しい私の左足の薬指に蠢いている。
必死で振り払い、電気を付ける。痛みのある指を見る。外から見ても何も変化はない。
しかし、いまだに指の根元から走る激痛。
振り払った物体はどこに?
必死な形相でアレを探す。
掛け布団を振り払い、敷布団をひっくり返し、自分の衣服を振り払う。
しかし、見当たらない。目を布団に落とすと
ヤツがいたのだ・・・まだそこに
文字通り、S字に見えたヤツが。まだ何者かを狙うかのように動いている。
憎しみが爆発した。自分には理性など無いかのように、闇雲にヤツの頭を叩きつける。
逃げようと素早く動くヤツの姿は、私を恐怖で凍らせた。「まだ、生きている」
平べったいその体は、私の全体重を親指に掛けるほどの強烈な押しつぶしが全く効いていないようだ。ティッシュペーパーの中でもがいているであろうヤツをそのままに、足の痛みに対して、私は何をすべきだろうかと思案する。
毒で死んでしまうのだろうか?足を切り落とすことにならないだろうか・・・・
薬は当然ながら持っていない。妻の父が、妻が、私の叫び声を聞いて起きてきた。
「ムカデに噛まれたんですけど、こういうとき何を付ければいいんですか?」必死に問う私である。
アロエがあるぞ」
アロエが効くのかどうか、分からない。しかし、何かをつけることで安心したいのだ。そんな心境なのであった。
アロエをつけ、サランラップで患部を包んだ私は、ようやく平常を取り戻し、ティッシュの中のあいつにトドメをさすべく覗き込む。ティッシュに噛み付き物凄い力で自分のぺしゃんこになった体を手繰り寄せている。
恐ろしい生命力である。顔全体が口あごであるくらいの異常な大きさであり、幼き日に見たハチを思い起こさせる。そばにあったウチワのプラスチック柄の部分で、あの自分を混沌に叩き落したにっくき口を潰した。
ぴくぴくと長い体をくねらせつつも、ようやくヤツは死に絶えた。
しかし、まだ終わっていなかったのである。
私の中で恐怖が芽生え始めるのを感じないわけにはいかなかった。
暗闇の中で、別のヤツが自分に襲い掛かるような妄想、更にはもっと大きなヤツが自分を狙ってくるのではないか?そう、私は自分が先ほど殺してしまったヤツの種全体を敵に回してしまった。ヤツらからの報復に怯えるのであった。明日私は目覚めることができるのだろうか?
いつかシュールレアリズムの映画で見た、昆虫がモゾモゾと視界いっぱいに蠢いている映像。
私の周りにアレらが食いついている恐怖。私はそれから、1時間あまり、寝付くことが出来なかった。