”そんな言い方ないだろう”が面白かったので、その前作を買ってみた。
最初の方は、巷にあふれる妙なTV言葉、若者言葉に鋭い突っ込みで、面白く読み進む。筆者は、大人になってから大学院に入り、”若者言葉に見る心理”を修士論文のテーマとして選択したらしく、徐々に若者たちが置かれた状況に対する必然として、若者言葉が発明されたと洞察を深めたらしいのだが、要するに「お前らの言うことは分かる。」「素晴らしい工夫だ」と絶賛する内容に変化してしまっている。
そして、大人たちは彼らの言葉を味わおうと態度を変えてしまうのである。終いには言葉のプロとして”はるか上の方から”秘伝・口のききかたを伝授してしまう。
最後だけ無かったら、すっきりと軽妙な読後感だったのになぁ。
無論、”秘伝・口のききかた”の部分にしおりが挟まったまま本棚にGOなんですけどね。
