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【自由研究】MOX6 vs MX61 同名音色の使用エレメント数比較

MOX6とMX61で同じ音色なのに、MOXの方が豊かな響き・・なんで?

ということを調べる。

まずは、YAMAHAさんのサイトから、MX61とMOX6の音色リスト(PDF)をダウンロードして、もくもくとテキスト情報を抜き出し、TSVを加工して、Excelに持ってくる。

TSVの段落がガタガタなので、ひたすら列揃えを行う。

成形できたらピボットテーブルにして、カテゴリ、サブカテゴリごとに音色の個数やエレメント数を集計する。

いやぁ、結構時間掛ったよ。まさに自由研究。

さぁ、結果を報告するよ!

 

<音色カテゴリごとの音色数の比較>

 

トータルの音色数は、MX:1167、MOX:1024であり、MXはMOXの10%増しと言える。
どのカテゴリの音色がどの程度増強されているのかを調べる

Bassを除くすべてのカテゴリでMXの方が音色数が多い。
特に顕著なのが、M.EFX、CPerc、SaxWW、Pad、S.EFX、Strings、Organとなった。
バンドのキーボーディストが良く使うであろう音色を補強しているとみられる。

Piano:21-25(MX+4)
Bass:124-122(MOX+2)
Brass:60-68(MX+8)
SyCmp:70-71(MX+1)
CPerc:33-51(MX+18)
Dr/Pc:23-61(MX+38)*MXでは音色にドラムセットを含むため
Ethnic:32-37(MX+5)
H:5-11(MX+6)
Keys:61-64(MX+3)
SynLd:76-80(MX+4)
M.EFX:109-138(MX+29)
Organ:61-69(MX+8)
Pads:75-89(MX+14)
S.EFX:40-49(MX+9)
String:70-81(MX+11)
SaxWW:34-52(MX+18)

 


<音色カテゴリごとの総エレメント数による比較>

次に音色数ではなく、使われているエレメント数をカテゴリごとに比較する。

ほとんどのカテゴリでMXの方がカテゴリごとの総エレメント数が多い。
音色数が10%増しなので全カテゴリで10%程度の増加を見ればよいことになるが、
ギター系音色のみMOXのエレメント数が際立つ。

前半がMOX、後半がMX(差)
Piano:52-52(0)
Bass:247-253(MX+6))
Brass:168-182(MX+14)
SyCmp:177-181(MX+4)
CPerc:94-127(MX+33)
Ethnic:78-86(MX+8)
Guitar:263-192(MOX+71)
H:8-24(MOX+16)
Keys:123-120(MOX+3)
SynLd:179-183(MX+4)
M.EFX:312-329(MX+17)
Organ:210-240(MX+30)
Pads:219-235(MX+16)
S.EFX:99-102(MX+3)
String:226-241(MX+15)
SaxWW:85-100(MX+15)

 


<同名音色の使用エレメント数による比較>

 

MXとMOXでは音色数や音色の傾向が異なるため、音のリッチさを検証するためには、同名音色のエレメント数を比較する必要がある。

地味にこの作業が1番時間が掛かった。

音色名がMXの方は短縮名になっていて、文字列の一致が機械的に出来ないからだ。

目で見て、コレは一緒とか見比べながら1000音色を横に並べていくのは苦行に近い。

ともあれ、同音色が綺麗に並んだところで、音色カテゴリ、サブカテゴリごとに、同名音色のエレメント数を比較する

同音色名の数:915音名
うちエレメント数が同じ:683音名
うちMXの方がエレメント数が多い:66音名
うちMOXの方がエレメント数が多い:163音名

 

MXとMOXで9割は同じだ。そのうち75%はエレメント数も同じとは、こりゃなかなかMXも頑張ったなと思う。MOTIF直系を名乗っても間違いではない。

 

 

■カテゴリ別の特徴は?


・エレメント数の比較で18カテゴリ中12カテゴリがMOXかリッチ、5カテゴリがMX、同点が1カテゴリ
特に違いが大きいのがGuitar、M.EFX、Pads,Piano、SaxWW、Stringsの生系でMOX6の方がリッチ。
BASS、Organ、VocoderではMXがリッチな音色になっていると見ても良い。

トータルの音質(使っているエレメント数)ではMOXが贅沢で、特に生楽器系で顕著、
MXはオルガン、ベースなどのバンド系音色を補強した印象。


・BASS:MX(-4)
・Brass:MOX(+2)
・CPerc:同点(0)
・Dr/Pc:MOX(+7)
・Ethnic:MX(-1)
・Guitar:MOX(+36)
・H:MX(-1)
・Keys:MOX(+5)
・M.EFX:MOX(+33)
・Organ:MX(-12)
・Pads:MOX(+17)
・Piano:MOX(+11)
・S.EFX:MOX(+9)
・SaxWW:MOX(+13)
・String:MOX(+6)
・SyComp:MOX(+2)
・SynLD:MOX(+2)
Vocoder:MX(-4)

 

ただし、別の所でも書いたように、1エレメントしか使っていない音色においても、MOX6の方が良い音だという事実があるので、エレメント数だけじゃなく、DAや電源、アナログ回路自体の性能もあるようだ。