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電子楽器、音楽、コンピュータ、プログラミング、雑感。面倒くさいオヤジの独り言

サンヨーホームズさん、よろしく

ハウスメーカーをサンヨーホームズさんに決定した。
実家の土地に3階建てを建てると決め、各社で検討を始めてから40日。サンヨーホームズさんへのファーストコンタクト(Web)からわずかに2週間。超スピード商談。
全9社と計16回の打ち合わせ。100通以上のメール送受信。
濃密な時間を、(仕事以上に)費やした感がある。
常に真剣勝負。色々と勉強しながらの40日であった。
途中何度も、第一候補が入れ替わり、評価軸も様々に振れた。
エスバイエル→一条工務店住友不動産三洋ホームズ
これまでお付き合い頂いた会社すべてに、お礼の電話orメールを出し、感傷的になったり、ドライに結果だけ告げたり。
自分達のために、多大の時間(恐らくサービス残業)を割いてくれたり、手配してくれたり、ご飯をご馳走になったり・・といったサービス満点な営業担当者各位には、本当に申し訳ない気持ちでいっぱい。
ともあれ、ひとつの結論を出した。

■ありがとうございました(映画のスタッフロール的に)

ミサワホーム
  全体的にソツが無く、悪いところは見当たらない。提案力もGood。最後まで価格が折り合わない問題があった。何度も予算に合わせた見積りを持ってきて欲しいと依頼をしたが、なかなか難しいのか、いつ持ってきても何かが足らなかったり、予算を超過してたり。今後、設計変更やら、仕様変更などで増額増額をされ、何かを我慢しなければいけないような家作りになりそうなので、お断りした。ミサワ側も、相当値引きして契約にこじつけた上に、のりしろが無い状態で、追加要望されたらいい気がしないだろう。

サーラ住宅
  外断熱工法。特に冬モード/夏モードは惹かれた。木造軸組み+パネルで安心感もあったが、提案全体に大きなメリットを感じられなかった。(データの提示も少なく、教えられることが少なかった。他社提案をあきらめさせるような理由が見つからなかった)
木造の制振装置を見たときには「おいおい!大丈夫かい」と思わざるを得なかった。シロアリ対策に、金属のメッシュだけっていうのも不安材料だったよ。

住友不動産
  提案力、デザインは一番。Jアーバンスリー最高。ネット情報から、施工時の問題がいろいろありそうだとの都市伝説があり。気になっていたが、他社営業担当が「私が見た現場では」と前置きの上聞いた話が、後押しした。もし、単なるうわさや「そういう現場もあるかもしれない」というレベルで有れば、営業担当者には申し訳ない。しかし、火の無いところにうわさは立たないわけで、そういったうわさが無いところの方が良いに決まってる。

後日談:フラットルーフと雨漏り、カビだらけの問題をインターネットで知り、「うーん、これは大問題だな」と思った。→その後、担当者から電話があり、上記の不安視した要因について、伝えたところ「フラットルーフの雨漏りについては誤解があるので訂正させてください」と理由や事例の説明を受けた。それから「お客様の不安を察知して、安心させられなかったのは私の落ち度ですから。すみません」みたいなことも言われた。なんて謙虚な、いい人なんだ。あんた最高だよぉぉぉぉぉ。

一条工務店
  住宅性能面では、一番惹かれていた住宅メーカー。断熱、気密、換気、免振、全館床暖房。実際に住まわれている方々の満足げな顔(※)。アフターメンテナンスの丁寧さ、誠実さ。非の打ち所が無かったが、シンプルモダンテイストの事例が無く、「作れますよ」の言葉に信憑性を感じられなかった。ただそれだけの理由。シンプルモダンの事例と写真、デザイナーが出てきてたら一発で決まったかも知れない。

※満足げな顔:満足なお客しか家を見せてくれないよな。それにしても、訪問させてくれた2件とも、高断熱の家に住んでいるのに、窓全開で風を入れていたぞ。気密性/断熱性を生かして、締め切ってクーラーで生活するんじゃないんだね。

エスバイエル
  営業担当者と波長が合わず、検討を保留にしていた。デザイン、設計力、コストで期待していたのだが。他社と同じ土俵に上がることを最後まで拒み続け、提案も見積りを持って来なかったために、他社との打ち合わせや検討を優先し、放置しておいた。ローコスト系との比較に露骨に嫌な顔を見せ、優越感を語り、他社の悪口に終始したのがこの会社(支店、展示場がたまたま悪かっただけ?)。
初回打ち合わせから所長が出てきて、「ローコスト系と比較されるなら、正直お断りします」的なことを言ってきたのにはびっくりしたよ。踏み絵と言うか、選民意識を煽って、「俺はそこらへんの貧乏人と違うんだ」と踏み越えてきた客だけが、上得意様として、迎えられるのだろうね。「お客様はお目が高い」って、気持ち悪い。
今思えば、自社の建築物件を”作品”と呼んでいたのが違和感(自意識が過剰な気がするね)。作品は、作者の意図を反映させるもの。家は、施主の希望を聞いてオーダーメイドするもの、じゃないのか?作品・・・。近代美術か!
会社の株価がひどいことになっているとの情報もあり、営業スタンスといい、どうも家作りの話題以前だった気がする。

アイフルホーム
  地元工務店ウッドハウス”というところが対応してくれた。詳細な提案と見積りを真っ先に届けてくれた。安価な見積りに好感を持っていたし、性能も決して悪くは無いと思っていたが、最終的には3F建ての事例や地震に対する取り組みの真剣さで、他社(ハウスメーカー)と同じ土俵に立てていないのではないかと判断した。

・タマホーム
 3階建ての事例が無いんじゃなかろうか。基本性能の説明を省きすぎ。たぶん、エンジニアがちゃんとして、説明できる部分もあるのだろうに。家を買うという感じがしなかったのでNG。

クレバリーホーム(資料請求のみ)
  資料を送ってきただけで、その後の提案も見積りも無かった。豊田の方の工務店が担当していたようだが、担当者に余力が無いのか、注文住宅、3階建ての実績が無いのか、数回のメール送信に対しても、全く応答が無くなった。予算をぶら下げて戸を叩いてる見込み客を、無視しちゃいかんよ。
モダンテイストの外観好きだったのになぁ。


■決め手

・住宅性能(耐震、制振、気密性、断熱性、遮音性)
 躯体の良さ。高層建築物の実績。耐震、制振は、木材と鉄骨では違うだろうが、「3階建て以上なら鉄骨でしょう」との言葉に妙な説得力。たぶん、自分の中でもあった漠然とした不安「木質で3階建てって大丈夫なんだろうか」の裏返し。
躯体の良さについての補足。3階建ての高さ10mに対して、横方向の揺れが2.5センチって。しかも2センチの揺れを制振ダンパーが半減して、かつ壁材とはぴったり接着されていない(カーテンウォール工法)で、壁が壊れることも無い。

気密性については、空気を強制排気した気圧差で吸気していることからも分かるように、十分な気密性がある。断熱にグラスウールと使っているおかげで、コンセント部分の穴をくりぬくことで、断熱性能が低下してしまうことも無い。(断熱材に固形材料を使っている他社では、くりぬいた穴が、断熱性能を落とす・・とのこと)
耐震性については、ひとつの逸話が。阪神大震災の直後、三洋ホームズに大金を握り締めたお客の列が出来た。もちろん、震災直後に無傷な建物を見て、うわさが広がって、列を作らせたらしい。
担当した営業は、年間売り上げが15倍とかなんとか。対応してもらっている店長さんのキャリアで受注した案件数を、一気に抜き去られてしまったと笑っていた。こういうエピソード、都市伝説かもしれないんだけど、大事よ。スペックとかじゃなくって、ユーザレベルの事実なんだから。(多分)
うん、ユーザが常に正確な情報を元に動いているかどうかとは別問題だね。だけど、そういうエピソードって無いところには、言えないもんね。

・シンプル&モダンデザイン
 住友不動産のJアーバンが良いとほれ込んでいたところ、即座にパースを作ってくれ、シンプルモダンな外観を見せてくれた。実際に建っているお宅にも連れて行ってもらい、ナイスなデザインの家を見た。「任せられる」。そう思った。ロギアタイプEなんかを見ても、結構いい。

・充実した設備
 ネットでは、「標準設定の設備がショボイ」「色々と変更すると良い値段になっていく」などと書き込みがあったものの、細かく説明を受け、何が標準で何がオプションかを確認。これ以上付けられないくらいのオプションをつけて見積もりした結果、確かに結構な値段になった。
・・・がそれを打ち消すだけの値引きがあれば、結果的には、予算内でフルフルの装備になるんだから、結果オーライ。現時点では大満足。ミストサウナ付き浴室暖房乾燥機、食洗機、エアコン6台、ちょっとリッチなトイレ、換気システム、LowE複層ガラス、デザインルーバ、2箇所の床暖房、エコキュート470リットル、間接照明はすべてLED、洗面即湯システム。他に何がある?

・価格(値引き率:12.6%、特別値引き:460万円、キャンペーン値引き:100万円)
 東海地区限定で外構/造成工事の100万円を値引きがある。これで外構費はほぼチャラになる。店長さん、支店長さんの決断で、400万円超の値引き。この400万円という数字、各見積り費目の値引きを実行した上での、最終的な値引き。政治決断だね。他社に3700万円の案件が流れて、0円になるか(実質的には担当者が動いた分の経費が掛かっている)、それとも材料仕入れ部分を値引きして、薄利で受けるか。薄利っていっても、元々3割程度は利益の設定だろうから、利益額を半分にして、15%程度にすると、支店長決済を仰がないといけないってことなんだろう。どこでもそういう仕組みだろうね。
支店長さん(取り締まり役)が名刺を差し出して出てきて「よろしくお願いします」って、「もうこれ以上引かないよ、よろしくね」なのかな。幻聴か。

・営業担当者のレスポンス、知識、信頼性、熱意、誠実さ
 もう、とにかく仕事が速いのよ。プラン作成、詳細見積り、外注への打診、コストダウン案の提示や、関連各社へのコストダウン要請、昼休み中にパースを作成し、午後からは建具や外壁の組み合わせ、バルコニーの配置換えなんかの提案がアリーの、自社・他社事例の豊富な脳内データベース。100棟の注文住宅販売実績。
 何が楽しいってね、他社からこういう話を聞いたとか、こういうメリットがあるみたいだけどみたいな話を振ると、出てくる出てくる。構造からの論理的な説明や、実際の事例提示。他社から自社に向けられている悪評作戦を、すべて真正面から受け止め、ひとつひとつ丁寧に退ける。逆に、他社のメリットといっているものが、実はメリットではなく、構造的なデメリットを隠すために、当然やらなければいけない部分なのだ・・とか、他社への逆質問とかね。ガチで顧客メリットを追求してる感じ。生々しくていいわぁ。

■最終スペック

・サンヨーホームズ KURASI'TE ClassV-C
・次世代省エネ4地域
・軽量鉄骨筋交工法
・3階建て(44.59坪)
 1F:DK(ミニキッチン)8帖、和室6帖、洋室4.5帖、トイレ、洗面、浴室
 2F:LDK19帖、洋室6帖、トイレ、洗面、バルコニー
 3F:洋室6帖、洋室7帖(楽器ルーム)、12帖洋室、スカイバルコニー4帖
オール電化エコキュート
・電気式床暖房(1F-DK、2F-LDK
・ミストサウナ付き浴室暖房乾燥機
・1Fウッドデッキ、ルーバ目隠し
・南面、西面LowE複層ガラスサッシ
・LEDダウンライト
・洗面即湯システム
・エアコン6台


■他社からの攻撃
「鉄骨は大きく揺れる。」は嘘
「軽量鉄骨の材料が500℃以上では強度を失い、アメ状にひん曲がる」は嘘
「筋交いでは床と柱に隙間がどうしてもできる、そこから火が上がってくる」も怪しい。
「鉄骨では、外壁から伝わった熱がダイレクトに構造材すべてで受け止めてしまい、折角の断熱性能が失われてしまう」という指摘に対して。外壁と直接触れる構造ではないし、直接熱を受けて、骨材に結露が生じ、錆びるということは無い。
→後日談:あるかもしれないと思い始めている今日、この頃。

■他社への質問

・免振構造には、まだ重大な問題があるのではないか?→連続した余震に耐えられないのではないか?
 ゴムにしろダンパーにしろ、3階建ての大きな質量が、もとの位置に戻るためには、どれくらいの時間が掛かるか?その間に余震が続いた場合に、十分な免振効果が得られるかどうか?

・パネルに力を分散する工法に対して
 木質パネル工法のパネル接着は、躯体の変形に対して、壁が壊れることで建物を守る方法ではないか。
ツーバイフォー工法の釘打ちは、釘が外れていたら(施工が怪しくて、きちんと接合できていない場合)強度を確保できないばかりか、釘が外れれば耐震強度を6面で支えるとは言えないのではないか?
(6面体の構成方法が、釘というのはまずいのではないか?現場の施工管理が性能確保のために必須ではないか)

・グラスウールを使わないことで断熱性を売りにすることに対して
1室2個以上設置されるコンセント。通常は、壁に四角い穴を開けるが、この部分には、きちんと断熱材が入っているか。断熱性は保たれるか?グラスウールは、押し込むだけで、穴が出来ない。固体の断熱材を使う場合は、隙間無くコンセントが施工されるかどうかが大事。コンセントをたくさんつけた状態で、きちんと効果を計っているか?

・「火事の場合に、軸組み工法は弱い」について
軸組みでは、柱に板を貼り付けるので、床と柱には隙間ができる。この隙間は、炎の大好物である空気を良く通す。ゆえに、火災発生時に、この隙間から火が建物に回る。
ツーバイフォーの場合は、床面が壁面を挟み込み、完全な気密が保たれる構造なので、火が上ってこられない。
・・・は疑問。
ツーバイフォーであっても、軸組みであっても、大好物の空気の通り道は床と柱の間ではない、床も木で出来ている。階段?
ガソリンを内部で撒き散らされて、放火された家の話。
内部は丸焦げで、躯体が残ったという話があるが、中の人間は全員死んだ。火事を論じる時に、工法や部材で出来ることと、内部からの出火を考える場合、タバコを吸う人がいないとか、オール電化で火元が無い条件であることが重要ではないか。
外部から火をつけられたり、もらい火の場合、外壁が木材発火点から守り、発火しないことが重要。
(大概の住宅では、石膏ボードのおかげで守られているはず)

・勾配の無い屋根を使ったデザインについて
3階建てで高さ制限があったとしても、勾配の無い屋根形状は危険。豪雨などの場合に、雨の流れる方向を制御できない。屋根に水が溜まる。
水が溜まるってことは、部材の浸水=カビ発生リスク→全面カビのコース
「木造でフラットルーフは危険だよ。」「防水のメンテナンスを怠ると悲劇だよ。」なんていうネット上の情報もある。
デザインとは別に、屋根勾配は必要。(デザインのために、屋根形状をそのようにしている場合「デザインだけの家」だ)
同じ考え方で、玄関の庇も、勾配の無い屋根はお勧めしないとのこと。雨量が多い場合に、色んなところから、水がぼたぼた落ちてくるから。

・・ってことは、スカイバルコニーってヤバイかもしれんね。

・デザイン主導の怖さ
デザイナーズなんとかとか、工務店が独自に企画した建売なんかで、デザイン主導の家がある。
とっても危険らしい。
新築当初は、問題なく住めるが、長い時間が建つと、とたんに性能も見た目も劣化が激しいようだ。
家としてきちんと設計し、その結果デザイン性が失われたとしても、堅実に家作りをすべきだ・・・このように、三洋ホームズさんはおっしゃる。
うん、その通りだ。
デザインに目を奪われて、そっち方面に行くところだった。危ないところだった

※でも、キュービックな外観っていいな。壁を別に立ててでも、キュービックにしたい。正面から屋根が見えるのって、嫌だなぁ。なんとかならないかなぁ。