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電子楽器・コンピュータミュージックとの関係
電子楽器・コンピュータミュージックとの関係
このコーナーは、過去にお付き合いさせていただき、多くの夢を与えてくれた電子楽器達へのノスタルジー(美しいおもひで)を語るものです。
独善的に時代を総括したものであり、まったく客観性、他人との共通性が無いかもしれませんのであしからず。
- ■初めてのシンセサイザーと初めてのドラムマシン
- ■初めてのミュージックコンピュータ
- ■初めてのデジタルドラムマシン
- ■初めてのPCM音源とシーケンサーとMTR体験
- ■嗚呼愛しのRoland(フルデジタル、デジアナ)
- ■物欲狂時代(ラックマウント、サンプラー)
- ■成金の心の卑しさよ
- ■そして現在
- ■ここで登場した楽器へのリンク
■初めてのシンセサイザーと初めてのドラムマシン
ビートルズバンド
ヤマハCS01という1オシレータだが格安の32000円(だと思ったけど)!
同時期に出たドラムマシンMR10をセットで中学一年の時に買ってもらった。当時は”青いことに”CASIOのキーボードとどちらが良いかなんて悩んだ記憶がある。
その後の展開から逆算するに、ここでチープでもシンセサイザーを選択したのは神の導きとしか思えない。midiもCV/GATEも何もないミニ鍵盤(スピーカー付き)の怪しげなマシンであった。まさにエントリー、値段以上の夢を抱かせるという意味でまさにドリームマシン。
シンセサイザーと言えば、MOOGのタンスか、KORGの真っ黒いD51(機関車ね)を思わせるモジュラーシンセとか、とにかく”垂直の形状をした機械”を想像していた時代。ミニ鍵盤で薄っぺらいシンセっていうのは驚いた。(その音も薄っぺらかったけど・・・笑)
リズムマシンの方は、これまた薄っぺらいノイズを吐き出す”子供の耳にも「エレクトーンのリズムの方が音良いじゃん」”っていう代物だった。TR808のスネアにも驚いたが、もっと軽薄なホワイトノイズに限りなく近い音色。今となっては、そんなレアな音色も聴いてみたいとも思うが・・。
CS01は、深いモジュレーションをかけた音で、”単なるイコライザレベルの効きのフィルタ”を閉じた音が好きだった。今では大好きなサイン波だが、当時は「音量の小さい音」としか認識していなかったんだから笑える。ホワイトノイズがドラムに聞こえたり、今思えば”単なる幻聴”なのだが、あの頃の豊かなイマジネーションがうらやましくもある。ICだと推測するが、そんな音源の発する”生の矩形波”を聴いて「オーボエだ」なんて想像するのは、今では不可能に近い。(爆)
出力はもっぱら自慢のラジカセ。テープに合わせて弾いたものを録音したりしてた。(ガキには贅沢なメタルテープとか、その頃流行だったハイポジテープで)
ライディーンのメロディを弾いたり、ハワードジョーンズの歌メロを弾いたり、ナルシスティックな夜を過ごしたものだ。(回想)
隣の部屋で寝ていた妹によく「おにーちゃん、眠れない」と怒られたものだ。
今、思い出したが、この自慢のシンセサイザーとドラムマシンを使いたいがために、クラスの友人をバンドを結成。なんとピアノとギターとドラムマシンとシンセサイザーという構成でビートルズ。何かの発表の時に、クラスでテープを流したなぁ。ギターのチューニングの仕方も分らない厨房が(笑)
中学校3年生の頃、ヤマハのミュージックコンピュータCX5(だったかな?)とFMシンセサイザーモジュール、FM音色エディタ、シーケンスソフト(コンポーザーとかって言ったかな)とデータレコーダを買ってもらう。
ずいぶんと時間をかけてオペレーションを覚えた(あれは楽器のマニュアルっていうよりも、アルゴリズムっていう難解な数学だったような)。FM音源なんて何をどういじっても最終的には耳障りなノイズになってしまう(笑)。フィードバックかけすぎだっちゅうのに、4オペレータ直列のアルゴリズムでビービー言わせて、何がおかしいのか分っていないのが微笑ましい。せいぜい並列のアルゴリズムで倍音を出して「これはパイプオルガンだ!」って言い張るくらいしか出来なかった”苦い思い出”だけが蘇る。あれは、強力なフィルタが無いとまともな音作りが出来ないと思うのだがいかがなものか?(いまだにFM音源の音ってブラスとかベースしか好きじゃないな・・・フィルターのくぐもったような意味深なパッドの音って出るのかな)
それでも、音色のロードとかが出来たのと、メーカー(YAMAHA)から音色データがテープで販売されてたんだからエライ。音色を商品にするっていうのの走りだったと思う。4オペのFM音源を誰かが苦心して作った音色で、ラウドネスとかシーケンスで鳴らした挙句、「これのどこがギターじゃ!」「高崎晃じゃなーい!」などと苦悩しておった。
この、コンピュータが少しの狂いも無く音楽を奏でるという体験は非常に好きになった。YMOの曲だとUTとか以心電信とか・・もちろんライディーン、テクノポリス、レディオジャンク・・・とか。UTの重和音の連打なんて思いっきりもたってたもんな、我がミュージックコンピュータは。
「ALL ABOUT NAMCO」とかいうゲームマニア本があって、これにゼビウスのBGMやバキュラの音、ブラスターの音なんていう渋い譜面が乗ってて、ゼビウスのオリジナル曲を”細野さんに先駆けて”作ってましたな。8ビットだかのMSXマシンで16和音とか鳴らしてたんだから凄い。32分音符とか64分音符で効果音みたいに使ったり、ステレオで音をずらして擬似ディレイとか。
その後CX7M-128とかっていうフロッピーディスク、スロットが二つなんていう画期的な装置を搭載した後継マシンが出てきたのをうらやましく見てたっけ。
■初めてのデジタルドラムマシン
ハードロックバンド Remainder
志望高校に入学した。入学祝いで約束していた憧れのDX7は親の一方的な契約破棄により無かった話に(涙)
「受かったんだから良かったじゃないか(今は亡き父”巌”談)」
めげずに小遣いをため、ファストフードでポテトを揚げながらも買いましたよ。初めてのドラムマシンを。
すでにドラマーとしてメタル・ハードロックバンドのメンバーだった私は、その頃コルグから衝撃的な値段で出たドラムマシン”DDM110”を購入。ドラムマシンが黒いボディでパーカッションマシンが白(シルバー?)だったのを覚えてる。音を楽器屋で聴いたときには「今までのドラムマシンは嘘だ!」って開眼したね。
買ってからプリセットを聴いているだけで痺れた。ハードロック・メタル系のツーバスドラムをでっかい音で鳴らしては、その迫力に圧倒されてましたな。
その後、TR626なんていうドラムマシンも買ったが、こちらは(当時どのように使うのかが全く分っていなかった)”パラアウト”。何よりもデザインが大好きだったし、今ではGMのパワードラムキットって言ったほうがピンとくるようなかなりのボリューム感のあるサウンドだったな。こちらもハードロックドラム専門マシン(笑)。
ちょうどギターなんかも弟に買わせてたんで(ラウドネスの高崎晃モデルのランダムスターってヤツ・・WESTっていう怪しいメーカー)、コルグのツーバスドラマーに合わせてディストーションギターっていうのが最高に楽しかった。
DX7に未練たらたらの状態で、TXなんかのデモに見に行ったり(そう名古屋のYAMAHAブースにあの松武秀樹が来たこともあったんだよね)世の中デジタルに傾きかけた高校時代を過ぎ。ついに大学生となった私は、時代はDだというわけで、D50ならぬD5というデジタルだかアナログだか分らないシンセを購入。
「大学おめでとう!」を自分自身にプレゼントっていう感じ。MTRなんかも同時に購入。たしかFostexのX26だったかな・・・そんな感じの名前の安いヤツ。
D5は、はじめて購入した「ちゃんとした大きさの鍵盤を持つ”本格的なシンセサイザー”」だったのだ。PCM音源とやらのリアル(笑)なピアノの音、なんだか分らないけどイマジネーションを刺激するSFX、重厚なストリングス、マルチティンバーとか言って、8パート+リズムパートを奏でられるスーパーシンセサイザー。98000円くらいだったと思うけど、自分にとっては物凄い買い物だった。後にYAMAHAのQX5FDというその後自分にとってかけがえのない存在となるデジタルシーケンサーを購入。
テープじゃなくって3.5インチフロッピーに曲データをセーブできる。テープに比べて物凄く速い!性能もMIDIの遅れが気にならないくらいに高い。
D5とQX5FDはコンピュータミュージックの醍醐味を嫌というほど教えてくれた。
オリジナル音色もたくさん作った。特に”JUNOっぽいパッドの音色”なんて、その後のどんなシンセサイザーで作った音色よりも好きで、サンプラーを買った時も、わざわざD5のパッドをサンプリングしたくらい。「誰があんな中途半端なPCM音源で音を作るんだろう?」って思う無かれ・・・ここにD5の音作りを熟知した職人がいるぞよ。(笑)その後D70っていうモンスターシンセサイザーを購入するまでの間、D5は自分の分身だった。
QX5FDの方は、ほぼステップ入力マシンとして、思いがすぐにスイッチ操作につながっているほど使い込んだシーケンサー。これに代わるシーケンサーを触ったことがない。スイッチの感触も大好きだったし、今から見れば”狭すぎる液晶画面”も実に使いやすかった。
QX5FDでどんどんD5にシーケンスを流し込み、MTRにインプットしたものをテープに取り、ギターを重ねたり、自分のドラムを重ねたり・・・。時にはシーケンスの上に、マイクでリアルタイムで録音するノイズ音楽なんかも夜な夜な友達と作ったもんだ。20Wのちんけなギターアンプ(マーシャルもどきの・・)をフルで鳴らしてマイクで録音したり・・。
■嗚呼愛しのRoland(フルデジタル、デジアナ)
軽音楽研究会の数々のバンド、静流
D5に心を奪われた青年は、ついに学生の身分であることを忘れ禁断の領域に踏み込んでいく・・・。U20という美しいサンプリングベースのシンセサイザー(プリセットサンプラーとでも言ったほうが良さそうな代物)にあこがれつつも・・・強力なデジタルフィルターを搭載し、PCMカードを2枚とRAMカード1枚を挿せるというスーパーモンスターシンセサイザーD70に魅了されてしまうのである。(笑)
あの当時のRolandの最高峰シンセサイザーだったと思う。(その後プロフェッショナルモデルでD90とか出たかもしんない)
手弾きをするわけでもない自分にとって明らかに不必要な76鍵。でっかい液晶。デジタルなパラメータをアナログライクに操作できるスライダー。なんと贅沢なことに、多チャンネルのマルチ音源を、まるでミキサーを操作するごとく、本体のスライダーで操作できるのだ・・・・すばらしい。
デジタルフィルターのくせに、思いっきり発振する。強烈にぶりぶりする。その後中古でJUNO106を購入するのだが、とにかく音色が変化する、下品なノイズを発する、U20譲りのリアルな(この当時のコピーでは”高品位な”)サウンドを出すのが驚き。デジタルシンセサイザーの頂点だと思った。
このシンセ、なんとマルチアウトプットで、背面に回るとケーブルがソバのように飛び出して、「まさに音楽制作の中心は俺だ!」っていう感じだった。
こうなるとRolandマジックにずぶずぶと入り込んでいく”哀れな仕送り学生”なのである。SPD-8なるパーカッションパッドをドラム音源、ドラムスタイルのアクセントして購入。フットスイッチを付けて、生ドラムサウンドにTR808のキックを混ぜてみたり、スタンドプレーでパーカッション気取りをしてみたり。
そして、Rolandマニアはついに・・本物のアナログ(実際にはデジアナとも言えるようなものだが)であるJUNO106をついに手に入れてしまう。
マルチ音源の一音色で終わらせてもかまわないのに、敢えてシーケンス音をJUNOで出す。わざわざフィルターを開け閉めする。MIDIチャンネルの1〜6,10はD70、SPD-8が11、JUNOは16番専用だった。JUNOでベースパートの手弾きをしたり、ボコーダーのキーボードとして使ったり、とっても贅沢。電子楽器オタクの世界。
何不自由のない電子音楽生活。しかし・・・
しまいには、U220まで中古で購入してしまう。なぜかというと、PCMカードが多くなりすぎ、D70に抜き差しするのがめんどくさくなってきたから。
D70に2枚挿して、シーケンス用にU220+PCMカード2枚。それでもカードがあまってたくらいだから・・・結局何枚持ってたんだか。
物欲はまだまだ止まらない・・・。RunningForever(笑)
アマチュアには無縁と思われたサンプリングの世界への壁がAKAIのS01によって打ち砕かれる。
これは素晴らしいマシンだった。セルフサンプリングがサンプラーの醍醐味とばかり、MDとマイクを持って街に飛び出す。中国人留学生にお願いして中国語ボイスを収録、馬鹿テクギタリストのフレーズサンプリング、カリンバの演奏をシーケンスに使う・・・FDで提供されていた音色ライブラリを買いあさる。憧れのプロフェット5、ムーグタウラス・・・立派な音色馬鹿である。
そうそう、ギターシンセなんていうジャンルにも首を突っ込んでしまい、レスポンスの悪さや「こんなのギターの意味ないじゃん」っていう表現にちょっとだけ失望しましたな。まぁ、キーボードでは弾けないけど、ギターなら弾けるっていうケースもあったんで、インタフェースとしては”それもあり”っていう程度だったのかな。
ラックマウントにギターアンプ(マーシャルのラックマウントプリアンプ)、S01、U220、マルチエフェクターSE50を詰め込んで、D70,D5、JUNO106、QX5FD。
これが私の城。
私は城主。
ほっほっほっほ・・・・・(←エコー処理済み)
金が自由に使える成金社会人。堰を切ったように楽器類を買い集める日々。給料が出ると10万円以上を持って楽器屋にゴー。
ろくに考えもせずに即買い。音楽的センスのかけらもない単なる消費者。(嫌だ嫌だ)
結果、ローランドのビンテージシンセ音源モジュールやら、アレシスのドラム音源”DM5”やら、XP(ローランドのミュージックワークステーション)やらギタアンプーシミュレータ(BOSS)やら、グルーブボックス(ローランド)やらしまいには使いもしないのにハードディスクレコーダ(ローランド)まで買ってしまう始末。これらから生まれた曲はゼロ!。なんと何も生み出していないのだ。音色を聞いて満足してしまう堕落した社会人がここにいた。
しかし、この消費ラッシュの裏には悲しい出来事があったのだ・・・。
それは、
・D70のアナログ出力部分の故障(要するにデジタル部分には問題がないものの、音が出ない”単なるMIDIキーボード”状態)
・QX5FDの電源故障(トランスだかなんだか知らないが、スイッチすら入らない)
・・・・である。中核である機器が2つ天に召されたため、これらの心の隙間を埋めようと、ホメオスタシスが働いたんだと思いたい。
血を入れ替えて新しいサウンドを生み出そう!そんな気概にあふれていたはずなのだ
源泉を失った悲しい成金状態が経過した後、衝撃的な出会いを経験する。お気に入りのシーケンサーによる楽器へのインプットの手段を立たれ、・・かといって手弾きで何かできるわけでもない、HDDレコーダの使い方も覚わらない・・・そんな四面楚歌の状況の中・・。
そう”ループベース・ミュージック・クリエイション”というジャンルである。最初はACIDロックという数千円のパッケージ。
日常パソコンのキーボード、マウスに慣れきり、何をしててもこの2つの動作などなんの苦にもならない現状に微妙にマッチ。
人のサンプルを切り刻み、テンポマッチングを自動でしてくれる。シーケンスを打ち込むこともない。オーディオデータを移調したり、切り刻んでパーツとして使ったり。
「これだ!」
ずぶずぶとパソコンベースの音楽制作環境にのめりこむ。
そういえば、始まりはミュージックコンピュータだった。MSXというマイクロソフトの提起したパーソナルコンピュータ上で動く楽器メーカーのソフトウェア。
あれと同じだ。今でこそCPUも32ビットになりメモリ空間も512MB、HDDも40GBなんていうお化けコンピュータになっているが・・。MicrosoftWindowsと音楽専門のソフトウェア。トラック単位でパンニングやボリュームエンベロープを設定できる”ACID
MUSIC3.0”に行くまでそんなに時間はかからなかった。ACID対応サンプリングCDROMを買い漁り、一ヶ月にアルバム1枚分(14曲程度)のサウンドが飛び出してくる。「これは凄い!マジックだ!!」
思い付きがどんどん形になる。あれほど手に入らなかったあの音やあのジャンルのシーケンスがぽんぽん形になる。
ロックとテクノ、エスニックとテクノ、アンビエント・・・MIDIでいちからフレーズを組み立てていた時代からは信じられない快適さ。トラックダウンの必要もなく、デジタルエフェクトもそのままかけられる。
楽器としてのインタフェースは、そもそもあんまり自分にとって重要ではなく、コンピュータ技術によって、”手に入れられる音楽の幅”が広がることが重要だっただけだ・・たぶん。
最近、新しいソフトウェア”ableton Live2”を買った。シンプルなオペレーションが非常に心地よい。
もう、作曲家とか演奏家とかプロデューサとか関係ない。頭の中で直結したイメージを形にするだけに興味がある(極論)。そんな感じで、すっかりPCで音楽っていうのにはまってるのが現在です。
Alesisドラム音源モジュール DM5
SonicFoundry音楽ソフトウェア ACIDRock / ACID Music3.0