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About Computer Music (Software) 〜ACIDとかLive2とか

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About Computer Music (Software) 〜ACIDとかLive2とか

 このコーナーは、私の使用している音楽ソフトを独善かつ辛口に批評(もしくは賛美)したものであり、音楽雑誌などのような、”購買を前提とした提灯記事”にはなっておりません(笑)。

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■SonicFoundry 「ACID Music3.0」 

基本機能


 SonicFoundry社の安価なループベース音楽制作環境”ACID”。キー、テンポ情報を持ったWAV形式が画期的で、他のソフトでもACID形式としてサポートされている場合が多いらしい。トラック数無制限で簡易的なデジタルエフェクト(モジュレーション、ディレイ、リバーブ)、パンニング、トラックボリュームのエンベロープ設定も簡単。インポート・エクスポート機能は抜群。MP3へも直接読み書きできる。テンポ情報が含まれない波形のテンポ合わせはちょっと面倒(一応BeatMapperというツールが付いてはいるが)。時間軸上に任意の名前を付けられるマーカー機能は、ちょっとした機能だが曲の構成を把握するのに便利。←シーケンサーを使っていた頃は、小節番号と紙に書いて曲構成を把握してた。

使ったことは無いが意外に面白いかもしれない機能として、ビデオデータを扱える点がある。aviとかのデータを音楽とシンクロしたいなんていう欲望がメラメラしてきたら使うかもしれない。(映像編集とか取り込みが面倒だしなぁ)

 

欠点


ACIDでトラックと呼んでいるものは、一音色と言うべきもので、1トラックに複数の異なる音色をアサインすることは出来ない。

デジタルエフェクトも楽器というよりも、雰囲気を楽しめる程度。パラメータをいじったり、リアルタイムにエフェクトパラメータを変化させたり、はたまたセンドトラックなんていう”いわゆるミキサー的な使い方”が出来るわけでもない。

画面の使い方もいかにもWindows系ソフトとして素直に作りましたって感じで、工夫がない。17インチとか19インチとかの1280ドット以上で使う分には狭さを感じないんだろうなぁ。各トラックのエフェクトを触りたいだけなのに、フレームの仕切りを調整したりってのがうざくてしょうがないんだよね。

 

利点


インポートエクスポート機能は「これってコンバータ?」って言うくらいに充実。特に、他のソフトでサポートしていないからっていう消極的な理由で(笑)・・・MP3書き出し機能。コレに尽きますな。MP3へのレンダリングが結構速くてGood。MP3をそのままトラックに貼り付けられるのも良い。

MIDIデータをトラックに読み込むなんていうのもあるようだが、使ったことはない。(編集できないのに読み込んでも・・ねぇ)

あと、映像系ではPhotoshopデータ、pngとかの静止画からmpegなんかの動画データが読みこめたり、AIFFとかCDオーディオとかね(非圧縮系)。

なんつうか、Web上で流通している音ネタをこねくり回して遊ぶっていう趣向のような気がする。音楽家向けではなく、PCユーザー向けっていう性格なのかなぁ。

あとは便利なのが、トラックの音色を別のものに差し替えるとき。(少なくともLiveでは出来ないんだけど)パンとかボリューム、ピッチシフトの情報はそのままに、ドラッグするだけで波形を変える事ができる。この辺は、1トラック1音色のメリットなんだろうなぁ。

ちなみに、わたし「Trigger and Confusion」まるまる全部ACIDRock2.0(ロックの音ネタ入り廉価版)、「I/O」まるまる全部をACIDRock2.0、「Reboot」の最後の2曲以外の全部はACIDMusic3.0だけでアウトプットしたんで、これはこれで結構満足してます。

 

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Ableton 「Live2

基本機能


KingCrimsonや細野晴臣先生がお使いになっているという情報が決定打となって(不覚にも無意識に信頼してしまい)購入した、Ableton社のLive2。(2っていうのはバージョンね・・。廉価版にLiveJamってのがある)

トラック数無制限のミキサー画面、同じくトラック無制限で時間に沿って波形を並べてエディットできるアレンジャー画面の2画面構成。1トラックにいくつの波形を読み込め、トラックには分りやすい名称を付けられる。(BassとかSyntheとか、ミキサーのフェーダー下にガムテープ貼り付けて書いてたような感じ・・笑)、専用ハードディスクレコーダにあるようなシーンメモリーみたいな機能もあって、複数トラックのパターンデータに名前をつけて例えば、AメロとかBメロとかの曲構成まとめてパターン化したものを外部トリガーで一発切り替えしたり・・・。(使ったことないけどね)

デジタルエフェクトもかなり使いやすく、効きが本格的な13種類があらかじめ用意されてる。がんがんかけてもエフェクト臭くない非常に良い出来。(ノイズもないし、S/N落ちないし、直感的に操作できるし癖になりそう)。時間軸に沿ってエフェクトパラメータをレコーディングしたりっていうのも凄い。

Liveっていう名前の通り、ノートパソコンに入れてライブで使ってね!っていう機動性が素晴らしい。速いし、インタフェースが素晴らしい。

 

欠点


最終的にMP3にしたいのに、直接書き出しが出来ない。「どうなってるんだ!ableton」←かなり切実

インポート、エクスポートはAIFFとWAVのみ(ちょっと情けないスペックっていうか、「他の音楽制作ソフトと組み合わせてください!」っていう割り切りか?)。

単音サンプルを切り貼りして音階をつけたりする、いわゆる”シーケンサーっぽい”作業が意外にやりにくい。もっとさくさく出来るようにならないものか・・・っていうかこれも「他の音楽制作ソフトでやってください!」っていう内容なのかもしれないが。

あとは、レンダリングが非常に遅い。曲の時間数以内くらいだとは思うが、ちょっと何か変えてMP3にしたいだけなのに、ピーク補正、保存、最適化ファイルの一連の作業だけで息切れしてしまう。このあとwavファイルからMP3にするためにACIDを起動して、貼り付けて、ボリューム調節してACIDでMP3レンダリングっていうのが面倒で仕方がない。

本質的な部分で欠点があるとすれば、波形を自動でループ仕様に調整するWARPモードっていうのがあるんだが、これがリズムもの以外は使えん。(汗)・・・っていうか信用ならん。特に持続系音色をきれいにループするためには、”やはり”自分の耳で聞きながら不連続にならないように繋げるしかない。”なんとかテクノロジー”とか”なんとかエンジン”なんていう売り文句そのままではあかんっちゅうことやね。

もともとがモジュレーションとかコブシなんか効いた音色をつなげようものなら・・面倒くさくて「そのまま放置」ってなりがち。(実際にTheCrossの持続音なんて変なクリップノイズが入ってたり、明らかに不連続だったりして)

ま、これとてACIDならそもそも波形レベルの編集なんて思いも付かないわけで・・・贅沢な望みって言えばそうなんだけどねぇ。

それでも結局、これくらいしか欠点が見当たらないのも凄いっていえば凄い。

 

凄いところ


再生もエディットも非常に速い

インタフェースが秀逸で、狭いノートパソコンの画面でも十分にフル機能に手が届く。

ミキサー画面とエディット画面、音色を選択するブラウザ、エフェクトを選択するブラウザなど・・・思考に合わせてメニュー化されてるようで、きびきびと作業が出来る。

”波形の拍合わせ”も慣れると非常に重宝する。波形上でダブルクリックして拍のマーカーを付け、これをドラッグして伸ばしたり縮めたりするだけ。

曲全体を把握したり、より詳細に見るためのマクロビュー、マイクロビューみたいなインタフェースも好き。通常のトラック表示とは別に小さな帯上のインタフェースがあって、ここでより大まかなビューができる。逆により細かく(波形レベルで見る)のは、WAVエディタがトラック画面のすぐ下にある(この辺はACIDも一緒だけど)

VSTプラグインとかASIO連携とか”外部の楽器・ソフトウェアとの連携”なんかすると、もっと面白い使い方があるに違いない。

ちなみに、Live2で生み出したのは、rebootの最後2曲「Overdrive」「MetaFolk」とTheCrossの全曲。エフェクト処理が一番変わったんじゃないかなぁ。後は、たくさんの音色を使ってるんだけど、1トラックとしてエフェクトとかエンベロープを付けてるから統一感が出やすいかも。

 

■MasterBits「masterBEAT2.0


ほんの出来心で購入したリズム専用シーケンスソフト(時期はACIDRock中毒だった頃)。なんだか懐かしいインタフェースに惹かれてっていう感じ。しかしながら、所詮パターンでリズムを感じたい”堕落した”在宅音楽家としては、小節単位でループしながら一音一音重ねていくなんていうリズムの構築方法が出来るわけがない。(汗)

サンプルデータを聴いて、「ほぅほぅ」とつぶやいて終わり。(T_T)

まぁ、将来的にはVSTプラグインなんかを呼び出して使うかもしれないが・・・・。はじめにつまずいちゃ先もなさそうだなぁ。

典型的な安物買いパターンですな。

 

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■Steinberg「Cubasis VST 4.0」


MIDIの世界にちょっぴり舞い戻りたくもなり・・かといってループベース、ソフトウェアエフェクタの世界に魅了されている現状。

フトコロを傷めずにすむソフトを発見!(・・・って前から店頭で見てて気になってたんだけど)。それが「CubasisVST4.0」だったのだ。

まだ、Windowsが95の頃、CubaseLiteなんていうちゃちな(その頃は興奮した)ソフトを買ってみたり、YAMAHAのシーケンスソフト「XG
Works」なんて買ってみたりしたが、どれも定着せず。

CubaseLiteの頃は、OSがタコだったのか、ソフトがタコだったのか、はたまたPCがしょぼかったのかは分らんが、再生すると発音が遅れるんで開いた口が塞がらなかった。「こんなの使えねぇよ!」

・・・・でスタインバーグのWebを見てて驚いた。

ソフトウェア音源(VSTインストゥルメント)やデジタルエフェクト、オーディオトラック、MP3書き出し、もちろんステップ入力とスコアリング機能なんていう贅沢な仕様で15800円ですよ、旦那!。

”買って気に入らなくても火傷しない値段”。音ネタCDを3枚も買えばすぐに15800円なんて吹っ飛んじゃうし、ACIDとかLiveで使う音ネタを無限に買い続けるわけにもいかず(そんな金ないし)、必要なフレーズは自分で作るってのも良いかもしれん。

「とりあえず買っとこう」

パッケージ内容


VSTプラグインエフェクト28種(ダイナミック、モジュレーション、ディレイ、リバーブ)、VSTインストゥルメント10種(リズムマシン、エレクトリック・物理モデリングベースシンセ、ポリシンセ、GM音源モジュール、アコースティック・エレクトリックギター、グレゴリオコーラス)、波形編集ソフト、音楽CDライティングソフト、自動作曲・アレンジソフト

基本機能


最大48チャンネルオーディオトラック、ミキサー(オートメーション可)、24ビット・96KHz(内部30ビット処理)、REX,AIFF、WAV、MP3読み込み、AIFF、WAV、MP3書き出し、ASIO対応、スコアリング(楽譜からのMIDIデータ入力、印刷)、64MIDIトラック(4系統にグルーピングして出力可)、MIDI分解能384、ピアノロール・リストエディタ・スコアエディタ、AVIムービー再生、エフェクトセンド各トラック2系統

欠点


インタフェースの出来非常に悪い。各機能が別ウィンドウで独立、アイコンチップヘルプなし、画面カスタマイズ機能なし(ユーザー初期設定保存機能もなし)、VSTプラグイン起動遅い(特にギター)、MIDIイベントの編集方法が煩雑(鉛筆ツール、消しゴムをいちいち右クリックで呼び出して編集)、ちまちまと細かなデータを作りこむことは出来るが、スピーディ・集中的に曲データを制作するのは”非常に厳しい”。MIDIキーボードを使ってイベントを入力することを前提にしているように思えて仕方がない。一つの独立・完結した楽器として見た場合、不完全すぎる(操作性)。WAVファイルをトラックに読み込むためのブラウザ(オーディオプール)の出来悪い。MIDIのパッチ、波形などをプレビューする機能が無く、楽器を使用する場合に、スイッチをカチカチしながら音色を選ぶような即反応は望めない。マニュアルにしか書いてないような使い方が多く、すべてソフトウェア上で解決できるよう、インタフェース、ヘルプシステム、オンラインドキュメントを整備すべき。(PCユーザーではなく、音楽家が使うんだからさぁ・・・)

なんだか起動直後からイライラするソフトだ(ワシが短気なだけか?)。開発者出て来い!

利点


手になじませようと奮闘中!

 

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■MIDIMAN 「OXYGEN8」


CubasisVSTのステップ入力(マウス入力)の効率の悪さに業を煮やし、MIDIコントローラの購入に踏み切る。本物のMIDIシンセで入力する図も想像してみたが、USB to MIDIインタフェースに繋がったPCとケーブルがこんがらがったシンセ群に向かい合って、かつミキサーなんかで調整しながら・・・っていう重厚長大なノリが嫌だ。

やっぱりPCオンリーでUSBのMIIDIコントローラなんぞで、軽快に決めたい。そう!モバイルである。PCとヘッドフォンとMIDIコントローラを持ち歩き、どこでも本格的な音楽を制作できる環境。そんな贅沢なニーズにマッチしたのが、25鍵、バリュースライダ1本、モジュレーションホイール1、ピッチベンド1、ツマミ*8個のかっちょよいUSBキーボード。オープンプライスとなっているが、ワシは実際13800円でゲットした。(非常に安いよねぇ)

CubasisVSTのバーチャルシンセモジュールを鳴らしてみる。非常に遅れる・・・後にこれはASIOドライバを変更した上で、バッファなどのパラメータを調整することで、そこそこのレスポンスを得ることができた。32分音符などのフレーズを入力するほどの精度はないかもしれないが、所詮ベースや単音フレーズ、メロディ、コード程度が弾ければ良いので、こんなもんだろう。まともに鍵盤が弾けるなら、そもそもMIDIシンセで手弾きしたものをオーディオで取り込めばいいんだからねぇ。あくまでもフレーズのネタを簡単にMIDIデータ化できればいいのだ。

・・・で気になるところを早速発見。(はじめから想定できない頭の弱さか?)

もっとも頻繁に使うであろう、プログラムチェンジ情報の送信が意外に面倒くさいのだ。スイッチを数回押さないといけない・・・。MIDIシンセなら当然あるような、バンクセレクトとパッチ番号を入力するスイッチがない。パッチ番号の増減用スイッチも無いではないか!。

あーあ、もっと吟味すれば良かったなぁ。(まぁ、安いから良いけど)

感激したところもある。8つのアサイナブルコントローラ(つまみ)で、ソフトウェアシンセのフィルタなどをグリグリできること。TB303のシーケンスを流しながら、フィルタ開け閉めなんて・・・非常に原始的(ありがちな光景)だが楽しい。これは、VSTインストゥルメントの出来が素晴らしいということなんだろうが、ハードウェアのシンセと遜色ないレスポンスをする。これで、PCの画面上のツマミも動くと面白いと思うんだが・・。

 

使い分け


最近のメインはもうLive2ですな。(実際の操作感を含めた)インタフェースが好きっていうのは非常に大きい。ただ、メロディとか和音とかを一から作りたいなんていうのは、LiveでもACIDでもキツイ。Liveから直接呼び出せるか、連携できるスレーブとして動作するシーケンサみたいなのがあれば完結しちゃう。ミックスダウンした曲をMP3にしたり、映像をつけたりなんていうのはACIDに頭を切り替えて作業すれば「まぁ、とりあえずはOK」

外部の楽器なんかを取り込んだりするのは、多分Live2を使うことになるんでしょう。

ACIDの方は、とにかくたくさんの音ネタを並べてパズルみたいに構築していくのが非常に早いんで、Live2でアシッド化した音ネタを作って、わざわざその後をACIDで遊ぶっていうのも渋いかもしれない。(Live2で完結できるのに、わざわざ・・笑)

シーケンサーソフト何にしようかなぁ・・・。そっちにいっちゃうと、今度は音源モジュールのソフトウェアとかいわゆる”プラグイン”な世界に入っていっちゃうんだろうなぁ・・・・・不安