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電子楽器、音楽、コンピュータ、プログラミング、雑感。面倒くさいオヤジの独り言

久々の楽器屋にて

本当に久々に楽器屋で、最新のシンセサイザーに触れた。
銀色ででっかいカラー液晶が付いちゃったような”ミュージックワークステーション”の進化は、はっきり言って全く興味の対象ではないのだが、まず驚いたのは、JUNO-Dという挑発的な名前をつけたデジタルシンセの値段の安さ。次にアナログ回路をモデリングしたデジタルシンセサイザーの音の良さ。JUNO-Dは、名機JUNOの名前を使っているのと、これまた名機であるDなんだから、名前の勝利。ADSRのエンベロープとフィルタのツマミがあるシンプルなキーボードで、”機械オンチと化してしまったおっさんを威圧しない程度のインタフェース”が好ましいのである。
夢中で触りまくってしまったのが、KORGのMS2000Bという機種。
ツマミだらけの真っ黒なボディ+サイドウッド、ボコーダ用のマイクまで付いているという”時代錯誤(失礼)ないでたち”が最高!音を出してみると見た目を更に上回る凄い音が出る。ベースの音の太さ・強さ、リード音の強烈さ、フィルタ発振も凄い滑らかで下品。初めてプロフィット5に触れた時のような、厳粛な気持ちでシンセに触れた感じ。毎年モデルチェンジして、すぐに古びてしまうデジタルシンセが席捲する中、こういった”一度は進化から取り残されてしまったような”アナログシンセに立ち返ってみるという姿勢が素敵。
出音一発で、その楽器の個性が炸裂するというか、とにかく興奮する音だ。
高品位でも、綺麗な音でもない、強烈な音
頭の中でイメージしていたのは、プロディジーだ。
このシンセを、シーケンスやサンプラーの洪水の中で、無心に触ってみたい。気持ちいいんだろうなぁ。
値段もかなりびっくりの”7万円”程度。

その昔、デジタルシンセが発振するフィルターを搭載し始めたD70、その後のJD800なんていう頃のアナログシンセシミュレートは、インパクトはあったものの、やはりデジタルなアナログだった。どこかキラキラとしていて、本気でアナログの良さを追及したというよりも「デジタルでもアナログの音が出ちゃうんだよーーん」って感じ。
それが、どうだ、このMS2000Bの音は、「デジタルなんて当たり前ですよ。本気でアナログに取り組んでます」って感じで、リズムキットなんていう”軟弱な妥協の産物”も搭載していない。
DJとかミュージシャンがパフォーマンスで使うステージ用キーボード。「面白い音が欲しい」っていう時の頼れる1台っていう感じだなぁ。いいなぁ。
欲しい