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電子楽器、音楽、コンピュータ、プログラミング、雑感。面倒くさいオヤジの独り言

The Dirtchamber Sessions Volume One / The Prodigy

プロディジーサウンドの中心人物”リアム”が、バカ売れアルバム”ファットオブザランド”とこれに付随するライブ三昧の中、初心に帰るために作成したDJミックスアルバム。1999年に本国でリリースされていたが、収録曲の著作権問題などで日本版は、オリジナル発売から数えて”なんと7年後”。
これも少し前にリリースされたベスト盤の影響なんだろうが、リアムの苦悩の日々がこういう形で覗き見できるのは嬉しい限り。アルバムタイトルのDirtchamberってのはリアムの自宅スタジオの名前らしい。
さて、このアルバムの構成だが、リアムが影響を受けたとされるアーティストのネタが、目いっぱいに詰まっている。ケミカルブラザーズ、プロペラヘッズなどの同僚(?)からセックスピストルズやらビースティボーイズやらハービーハンコックロックイットバンド、ジェーンズアディクション、KLFなどなど。
DJミックスアルバムと聞いて、「くだらないオタク的ヘッドフォンサウンドを聞かされるんじゃないか?」と不安が無かったわけではない。しかしながら、この人の選曲や音作りのセンスって凄くロック感にあふれてて、ロック少年が大胆にもコンソールに向かっているような感覚がある。アナログシンセやサンプラーを使ってはいても、ロックなんだなぁ。プロディジーサウンドのかっこよさの秘密が、この辺にあるような気がする。
一曲目から最後の曲まで、”飽きさせることなく繋いでいく手腕”は凄い。脳の中を色々な音楽がフラッシュバックしては消えつつも、基調のビートが辛うじて現在を引き止めている感じ。
やはりこの人がミスタープロディジーなんだと分かる。