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電子楽器、音楽、コンピュータ、プログラミング、雑感。面倒くさいオヤジの独り言

そんな言い方ないだろう/梶原しげる

気になる”変な日本語”についての説教本。
アナウンサーという言葉のプロの立場で、現代の妙な日本語を一刀両断している。
自分も日々、おかしな日本語についていちいち突っ込みを入れたい、また自分も間違った日本語を使うことで”あいつは言葉を知らないのではないか?”と思われたくないので、こういう本を手に取ってしまうのである。そして、何がおかしいのかを、面白おかしく解説して欲しいと願ってしまうのである。

目次を見るだけで「お!そうそう、そうなんだよねぇ」というおかしな日本語のオンパレード。
○○ですよね?(押し付けがましい同意)、ちょっといいですか?(ちょっとであることはまれである、強引な割り込み)、だからー(自分が言うことが理解されない苛立ち)、私自身(私といえばいいところを、なんだかもったいぶる)、”い”と”え”の中間的発音(口元がゆるい発音)、タメ口、認知症という言い方、買春という単語の気持ち悪さ、よろしかったでしょうか?(相手方の中で決定、しかも有無を言わさない過去形)、大丈夫でしょうか?(何が大丈夫なんだよ)、いらっしゃいませこんばんわぁ(お前はオウムロボットか!)
・・・などなど。
中には、おかしいけど正しいと思われる使い方があって、唸らされた。
例えば、某中古本を売る全国チェーンの店で、客の顔も見ずに、全従業員が「いらっしゃいませこんばんわぁ」と復唱するあの場面。あれは、お客様に対して賑やかに対応するため・・であることはもちろんのこと、万引きに対して「私たちはあなた方犯罪者を監視していますよ」とけん制していると言うのだ。確かに、無駄な元気は、これから万引きを行おうと、びくびくしている犯罪者諸君にとっては、嫌な感じだろう。普通の客にとっても嫌なんだが(笑)
この人の視点や物言いがドライでなかなか面白い。
この本も”口のききかた”という本に続く第二弾のようなので、”口のききかた”の方も買ってみようと思う。