1996年にVS-880を買ってから、使うことなく24年も経ってしまっていた。デモソングが入ったままで。T_T
ヤフオクを見ていたら、VS-2400とかいう、40GBのHDD、CDRでバックアップできるヤツが3万円で手に入ると言うことで、早速落札した。
リットーミュージックの記事
https://rittor-music.jp/sound/productreview/2003/04/1252
あれからHDDレコーダー界隈はどうなっていたのか?調べてみた。
◾️2016年には販売収束
VS-2480という最上位機種が2016年に販売収束したらしい。Wikipediaでも経緯が詳しく掲載されていなくて、完全に過疎状態。
VS880なんて、オークションで3000円程度だし。完全にジャンク扱いだ。
PCでオーディオレコーディングができるようになり、ユーザーはそちらに流れたんだろうなと想像が付く。
2020年現在KORGもYAMAHAも新しいレコーダーを出していなくて、TASCAMのSDカードを使ったのが数万円で売られている位。
バンドで一発録りに使いそうなレンジのやつ。
それ以外のレンジは完全にPCの分野になってしまったのか?!謎は深まる。ProToolsとか?Live?
◾️購入を決める時に考えたこと
・なぜ、Fantom X6でレコーディングしない?
→長時間録音できないから。トラックダウン後にUSBでPCに繋ぐなど、嫌なPCの世界と接点をもちたくないから。やはり楽器のオーディオはフレーズサンプリングで楽曲の一部をパッチ当てするような使い方なのかな。
・やはりレコーダーはサンプラーとは違うから
→録音ってのはアナログでしかあり得ない楽器や歌を撮りたい時の手段だなと。何テイクも気にいるまで録り続けて、ミックスを変えながら、最終形を決める作業は、編曲とは違う。
・ポータブルレコーダーで一発録り
→ずっとこの方式でやってきたが、やはりマルチトラックで録音して、録音モノをアレコレ編集したい
・なぜ昔のVS-880を使わない?
→A/Dが良くないのか、音がこもるらしい。また、HDD容量も4GBが上限とのことで、将来の部品調達に課題が出そう。
→良いかなぁと思った。HDDもCDRも。インタフェースも使いやすそう。
でも、RSSはローランドのものにしかない。
◾️ハードウェアの優位性
PCでお気楽にレコーディングが出来る。結構じゃないか。自分もabelton LiveでUSBオーディオを繋いで、PCでDAWなんて考えたことがある。
しかし、以前別のところでも書いたように、もう、仕事以外でPCを使って何かをしようとは思わなくなった。PCときたら・・・以下同文
で、ハードウェアのデジタル録音機器のメリットを考えてみるに、コレはどうしてもソフトじゃなくハードの世界なのにな!と思わざるを得ない。
・端子
"ミキサー部は16チャンネル入力、24トラック再生、8チャンネルFXリターンの48チャンネル構成とかなり充実したものだ。"
標準プラグもファンタムもあって、ハイインピーダンスを繋ぎ込めるチャンネルもある。
光端子もある。これだけの豊富な入力端子と、音に拘ったであろう、専用のアナログ回路が内蔵されているのに。なぜPCなんだろう。
デジタルミキサーに入れて、USBでコンピュータに繋げば良いよね?という流れなのかな?
いやいや、オーディオみたいな重い処理をPCに依存しようと思わないんですよ。やはり専用機ならではの信頼性とか即応性を求めたい。
・フェーダー
沢山のフェーダーに直ぐに手が届く。
VS2400はムービングフェーダーらしい。
別に動かなくても良いと思うんだけど、憧れのコンピュミックスと言えば、ムービングフェーダーと言うことで。(稼働部品があるだけで不安だから、本当になくても良いんだけど)。
・高音質
AD/DAはDSPで、24ビット量子化とか、サンプリング周波数は96KHzとか。それだけの精度のアナログ回路が入ってるって事だ。
・ウイルスもOSバージョンアップも無縁
これは大きい。起動して直ぐに作業に入れるし、裏で何か良からぬことをされていると考える必要もない。
・中身はPC
HDDの交換も、CDRの交換も可能。
なんならHDDをやめて、コンパクトフラッシュメモリとかSSDなどの回転部品がない記憶装置に置き換えることだってできる。
◾️40GBで140時間以上
標準で40GBのIDE HDDを搭載しているようだ。143時間録れる。何テイク録ったとしても100時間を超えることは無いだろう。
トラックダウンしたらCDRに逃せば良い。
ディスクに関してはサイズ上限はありそうだが、コンパクトフラッシュやSSDに換装した海外ユーザーのYouTube動画を見たが、簡単そうだった。
HDDが回転しないHDDレコーダーなんて最高だな。音がしなさそう。
◾️外部ディスプレイを繋げる
VGAディスプレイのジャンク品を繋げば、本体の狭い液晶から踏み出して、VGA解像度のカラーのGUIを使える。
少し前のDOS/V機のようなものか。
◾️RSS搭載
ああ、憧れたよ。RSS。Roland Sound Spaceだっけか。立体的にパンできるヤツ。
まさかビュンビュン飛ばすような事はしないが、定位が決まりやすくなるなら良いな。
奥行き感大事。
◾️やはり肝はアナログ技術
入出力が主な仕事のミキサー、レコーダーであって、そこの出来不出来が、レコーダーの命。
VS-880を使えば良いかと思っていたのを思いとどまったのもここ。独自圧縮をかけていてmp3みたいと書かれていたのを見て、萎えた。
マスタートラックを作ろうという機材が、mp3相当ではいけない。
PCでもDACとかオーディオボードが、ちゃんとPCの他のうるさいデジタル回路のノイズから隔離していて欲しいし、PCのスイッチングノイズだらけの電源回路で動いて欲しくないと思ってしまう。ましてや、モダンなPCでGPUなんかの熱の煽りを喰らって欲しくない。
プロ用のオーディオで培われてきた、アナログ回路の技術が結集されていると思うのだ。
根拠もないけど。^_^
それを聴き分ける耳もあるかどうか?も大事だけど。
◾️他にもいた!
PCでレコーディングするのに辟易して、ハードウェアのレコーダーに戻る人、又は、今、一昔前のデジタルMTRが買いだと書いてる楽器店の記事もあったな。
あぁ、PC疲れが始まってんなと思った。
◾️やはり買いだと思う
ハードがメーカー独自路線で、部品もないなら問題だが、HDDの替えも、CDRの替えもあるなら無敵なんじゃない?と思う。
PCの周辺機器や、ソフトウェア、OSへの追従、その他諸々のメンテナンス、ランニングコストを考えたら、専用機ほどユーザーフレンドリーで、信頼性の高い録音機器は無いんじゃないか?
内部のデジタル処理だけなら仮想化しまくってくれれば良いんだけどね。
ミキサーに繋ぐのが、相変わらずギターとか、ドラムとか、ボーカルとか、生楽器とかね、シミュレートモノじゃないリアル世界との接点が、ミキサー、マルチトラックレコーダーなのだから。ここはハードウェアでしょ!と、思う。