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電子楽器、音楽、コンピュータ、プログラミング、雑感。面倒くさいオヤジの独り言

カネと野望のインターネット10年史/井上トシユキ

それは確かに革命だった。すべての革命がそうであるように、光と影があった。これはネットビジネスの興亡を描き尽くした年代記(クロニクル)だ。 宮崎哲弥
・・・の通りの内容。
仮想現実として登場したインターネットビジネスの10年。
1995年あたりの熱狂、2000年あたりの詐欺騒動、それ以降の経済、政治。
IIJが商用インターネットサービスを開始し、Windows95TCP/IPが一般化し、HPを出すのがはやり、次第にネットショッピングなどの実業を行う動きがあって、BtoCだBtoBだのと横文字がうるさく、詐欺、犯罪が取りざたされるようになり、投機対象になるベンチャー、終いには虚業呼ばわりされる羽目に。

自分も96年からTCP/IPイントラネットだのインターネットだのに夢中になり、2000年にはIT業を始めていたから分かる。あのイケイケ(アゲアゲ?w)なムード、余分な熱。胡散臭い広告に言いっ放しのIT化提案。やたら細分化されたIT系雑誌の氾濫。
近年はネットに対して、ネガティブな(元の冷静さを取り戻しただけ)見方が増えた。IT投資は冷え込み、ネットに幻想を抱く経営者は少なくなった。もはや、モバイルだのユビキタスだのWeb2.0だのとバズワードを唱えてみても、誰も振り向かない。冷え込んだ現在の業界。
次の10年は”当たり前のことを当たり前のようにこつこつ実行している”会社に日が当たるのだろうか?
それとも、やはり騙し、すかしの現実世界同様、広告を派手に打ち、多くの経営者を騙し、投機で儲けてとっとと逃げちゃう奴が得をする10年なんだろうか。

10年前、ネットは単なる看板(ホームページ)だった。実業を知らしめるためのイエローページ、会社パンフレットだった。
多くの企業にとって、”インターネットが無くなったって、なんの影響もない”。そんな姿が正しい気がする。
金を流通させちゃダメだ。個人情報をさらして金になるようになっちゃだめだ。リアル忠実な投影にしちゃだめだ。どこまでも仮想世界であれ!。←誰に言ってんだか