y-matsui::weblog

電子楽器、音楽、コンピュータ、プログラミング、雑感。面倒くさいオヤジの独り言

DVD映画 アイランド

クローン人間を部品として利用する軍の保護下にある民間企業。
クローン達は、地下世界で管理されて生活しているが、あろうことか、自分が置かれている境遇に疑問を生じてしまった主人公が、地上世界に逃亡を企てるところから、物語が始まる。
追われる過程(アクションシーン、カーチェイス)が長すぎて、中だるみ感があるが、最後に近づくにつれて、テンポが上がっていく。

はじめ敵役の特殊部隊の黒人が、白人(?)からつけられた刻印を見せ、味方となったり、奴隷解放よろしく、地下のクローンたちが地上に開放されていく様は、なかなか感動的。
面白いテーマだし、描き方も良いんだが、一言だけ言いたい
「散らかし放題、散らかしておいて、後始末なしかよ!」ってこと。
あまりにもあっけないエンディングロール部分に「へっ?」って感じ。
もっとクローンと本人のやり取りの面白さや、黒人の生い立ち、クローンが人類のための技術であることの科学者からの弁明、主人公の苦悩などを丁寧に描くことができたはずなんだよなぁ。もったいない。
主人公の名前をリンカーンとしたことは、南北戦争奴隷解放と関係しているらしいし・・。
移民や奴隷の問題と、クローンを是認するような議論が、同じ生命観を基本にしているんじゃないの?っていうテーマがメインだと思うんだよねぇ。
それを言っちゃったら、何とかバンクとか内臓の移植なんていうのも、人間を部品として扱い、裕福な誰かのために、貧乏なドナーの人生が隠されてる・・・っていうことなんかも繋がってる。
またさらに言っちゃうと、ちょっと前に有名人の例で盛んにやってた”代理母出産”の問題もそう。
個人に起こった不幸を引き受けることができないで、他人の人生を蹂躙できるとする傲慢。
富める人間は奴隷(ドナー、代理母)を持ってもいいのか?!思い上がりも甚だしいぞ。