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電子楽器、音楽、コンピュータ、プログラミング、雑感。面倒くさいオヤジの独り言

FreezeFrame

ある冤罪から始まり、未解決事件の度に罪を着せられる主人公。自分の潔白を証明するため、家の中に90台ものカメラを置き、自分の毎日を10年間も録画し続けている。彼が未解決の犯罪に無関係であることを証明するために、自分が常に監視される生活を続けているのだ。
最後は、彼が一番真実を語っていることが明らかになるのだが、ひと時も自分を見失うことなく、無実を主張し続けると言うのは凄い。不条理が条理であることは、実は日常的に行われているのかもしれない。
カフカカミュが描いた不条理文学の匂いがする。主人公が暮らす暗い地下室が意味するものや、権威の側の欺瞞など深読みすればさらに楽しめそうな、含蓄のある映画。
意外とこういうのが心理的に深く影響されると思う。