この土日で、親戚2件から別々にPC関連の相談を受けた。
1件はバックアップに関する相談。
もう1件はセキュリティソフトに関する相談だった。
（実は、その2件とも、セキュリティソフトに起因する問題だったことが後に判明する。）
まず1件目のバックアップに関する相談。
トラブルがあって、電器店に持ち込んだところ、トラブルの修復のために、「最悪の場合、データがすべて失われるかもしれないが、良いか？」と聞かれ、バックアップというものを日々意識していなかったので（普通はそうだ）、改めて、「バックアップしたいけど何を残せばよい？」というもの。
8GBのUSBメモリを950円で購入し、写真データや、Office系のドキュメント、アドレス帳、筆まめの住所録等、思いつく限りバックアップした。
「データがすべて失うかもしれないが、良いか？」という問いに驚いたらしい。
（この質問に対して「あぁ、良いですよ」と答えられるPCユーザの存在を知らない）
2件目は、電話で聞いた限りではもう少しヘヴィな内容に聞こえた。
PC起動直後に、何やらスキャンが走り、レジストリのエラーが数百件見つかったので、治さないと壊れるかもしれない・・というようなメッセージが出るらしい。
「確かに、レジストリが壊れるようなことになっているなら一大事だ」と思い、
「それ、結構大変かもしれない。ちょっと見に行きます」と一時回答。
もう少し電話で話を聞いてみると。
アンチウイルスソフトが出しているメッセージと分かり、ちょっと見えてきた。
購入から1年間くらい経っており、プレインストールされていたアンチウイルスの更新が必要になる時期だ。
元から入っていたアンチウイルスをアンインストールして、無償のアンチウイルスであるAvast！を入れるようにお願いする。
再起動後、メッセージは無くなった。
一応、先方にお邪魔し、PCを拝見する。
Avast!が無事に入り、起動時のエラーがない。デスクトップにアンインストールされたソフトウェアのショートカットの残骸が残っていた。レジストリなんちゃら無償版と書かれていた。
こいつがおせっかいにも、スキャンで数百ものエラー（その実単なる情報なのだが）を吐き出し、購入すれば不具合を修正してあげるだの、レジストリエラーのせいで速度が劣化しているかもしれないなどと、ユーザを脅かし、故障したかのように思わせた犯人だ。
元から入っていたアンチウイルスのメッセージも（たぶん）悪質極まりないものだったと推測される。
購入すれば安全だが、購入しないで使い続けた場合、深刻なリスクを背負うことになるというようなことを警告し続けたに違いない。（完全に想像だが）
あまりPCに詳しくないユーザに対して、元々無償で入っていたアンチウイルスソフトが、（悪く言えば）恐喝のソフトウェアになり、ユーザを不安がらせ、普段めったに連絡をよこさない親戚が、私に助けを出すまでのことになっているわけだ。
いつから、PCがこんな物騒な代物になったんだろう。
実は、はじめの1件で、故障かと思い電器屋に持ち込んだという原因も、元から入っていたアンチウイルスソフトが原因と思われる。
起動時に毎回ダイアログが出てきて、いつまでも回避できない（たぶん、購入しなければいつまでも出続けたのだろう）ので、故障かと思い、持ち込んだのだ。
サービス費2100円を支払い治して貰った（？）とのことだったが、見せてもらった時、Windowsのログを見ても、アンチウイルスのログを見ても、何のエラーの形跡も無い。
※プレインストールが親切だとのたまうのならば、OSの寿命である5年位の無償更新にして差し上げたら、幸せになれるのではないか？あまり、ユーザに高度な知識やこまごまとしたメンテナンスを要求しないでいただきたい。
メールの送受信、Web閲覧、年賀書き、ちょっとした文章の作成、動画閲覧、デジカメ写真の閲覧がしたいだけなのに、なんでレジストリやらウイルスやらスパイウェアやらと訳の分からないことのために、貴重な時間を奪われたり、脅かされたりしなきゃならないんだ？
相談をくれたお二人には、
「今後MicrosoftとAdobe以外のソフトウェアの問い合わせには、すべてキャンセルでやり過ごせば問題ないですから」と教えてきた。
買え買えと売り込みや、危ないぞ危ないぞの煽りがほとんどだから、耳を貸さなくてもOKだ。
あぁ、罪深きPCセキュリティ業界。
