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電子楽器、音楽、コンピュータ、プログラミング、雑感。面倒くさいオヤジの独り言

ナチスの発明/武田知弘

知られざるナチスの姿
挑発的なカバーに加えて「※本書はあくまでも中立的な見地で書かれた本です。いたずらに軍国主義全体主義を煽るものではありません。」なんていう物騒な注意事項。
「十分に扇情的だっちゅうの」
内容をすべて読んだあとの感触として、「確かに、ナチスの先進的な部分や、評価に値するような発明はあったんだなぁ」とか「時代の空気を極端に体現したのがナチスだってのもあるかもしれんね」とか「”ナチスが作ったというだけで、ぞんざいな扱いを受けてきた”っていうきらいはあるよな」と思う。
この本、最後の方に行くと、だんだん妄想めいてくるのが不気味だ。
島型原爆はナチス製だったという説なんていわれても、そんな説を聞いたことは初めてだし、ソ連の原爆開発にナチスの科学者が参加していたことも分かっている・・って言われても、生物兵器のデータ、人体実験のデータ、原爆・・みんな自国に有利と思われる技術を根こそぎ盗んだんでしょうねぇという話だ。
ヒトラーは戦争で原爆を使うことをためらったが、アメリカは落とした。人道的なのは連合国で、枢軸国=非人道的という見方も改める必要がある・・みたいな言い方ってどうなんだろうねぇ。勝ったほうが人道的であるかのごとく振る舞い、負けたほうは貶められたっていうことだと思う。正義も糞もないよなぁ。
・・って発明の話なんだっけ?