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電子楽器、音楽、コンピュータ、プログラミング、雑感。面倒くさいオヤジの独り言

ヒミズ/古谷実

少し前に読んだ、ニッポン問題/M2で、宮崎哲弥氏が絶賛していた漫画ヒミズを古本屋で購入。
一気に1-4巻まで読む。2回も読む。
宮崎哲弥氏が言っていた通り、人間存在(実存)をディープに抉った、ハードな内容だ。「普通の生活の難しさ」「あまっちゃろいごまかしへの嫌悪」を殺人や生と死のテーマで描いている。
稲中卓球部のギャグも大好きだが、シリアスにひたすら重いヒミズも良い。
不条理哲学とかをテーマにした、映画を見た後のような感じ。実際に舞台化されたとwikipediaに書かれていたが、確かに演劇で見たい気もする。
最後(4巻のラスト10ページくらい?)は、あの形でしか完結できなかったんだろうな。物語が断然締まる。全体のトーンが冷淡で、でもかすかに救いがあって。それで、あのエンディング。凄いよ。
これは漫画の物語なのだが、現実に少年犯罪、親殺しなどのニュースの裏には、似たような境遇があるのかもしれない・・・と思った。親がとんでもない鬼畜・阿呆で、社会との接点や生きていく方法を持たない子供が、最後に親殺しを選ぶっていうことが、正しいとは思えないが、致し方ない面も多分にある。
社会が馬鹿親を罰することに期待を持てないなら、自分が殺される前に殺す・・ということ。
なんか、すげーこと書いてんな、blogに。