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電子楽器、音楽、コンピュータ、プログラミング、雑感。面倒くさいオヤジの独り言

続 エンタープライズサーチ

先の”エンタープライズサーチの売り文句”が「ほんとかいな?」と気になっていたので、さらに調べてみた。
まず、エンタープライズサーチというジャンル(情報ポータルとかナレッジベースの焼き直し?)が再燃したきっかけが、2005年1月のGoogle検索アプライアンスの登場と同時であること。
「Web検索最大手のGoogleエンタープライズに本腰か?」という感じ。
そのあたりの状況は
[ニュース特集:Deep Insight]Googleが火をつけたエンタープライズ・サーチ、その可能性はちっちゃくて安いGoogleはいかがですか?なんかで分かる。このblogでも2005年6月にGoogleMiniが気になると書いているので、多分IT系のニュースサイトで騒がれていたんだろう。
さて、先の売り文句に対する疑問だが
第1回:エンタープライズ・サーチが求められる背景で、労働時間の25%を検索に費やしているのは、アメリカのホワイトカラーの場合だと書いてある。
「仕事しろよ!仕事!」と思ってしまう(笑)。まぁ、いい
アメリカの例で、ホワイトカラーの勤務時間のうち25%、多いところでは40%が情報探しに当てられている」と正確に記述すれば、まぁ納得できる。そして、それほどまでに検索に時間を費やしてしまう原因が、爆発的に増え続けるアプリケーションデータにあると。これも良く分かる。
「(ディスクの空きを気にする必要もないし)とりあえず保存しておこう」とか「こっちにもコピーをとっておこう」が、ノイズを増やしていることも確かだと思われる。同じ記事の企業の投資意欲は増加 を見ると、IT投資熱が再び高まっており、エンタープライズサーチの分野が有望であることが読み取れる。
しかしながら、完璧を追求できるか、エンタープライズサーチエンタープライズサーチに関する3つの誤解を見ると、冷静に業界や費用対効果を見極めようとする”優れた論考”もある。

最後の”エンタープライズサーチに関する3つの誤解”は、実際に自分がGoogleMiniを使って、「欲しい物をどのように探し出すか?」という問いに対する、非常に役に立つ情報だ。

・「PageRankエンタープライズサーチで上手く機能するか?」
PageRankそのものが、検索結果評価に効くことは、たぶんあまり関係ない。”たくさんリンクされているページが良いページ”なのではなく、リンクされていようがされていまいが、給与規定だとか、提出書類のテンプレートは、確実に探せるべきなのであって、また検索結果下位にランクされて良いはずがない。

・カテゴリや分類によるナビゲーションが必要だ
PageRankや単語の出現頻度だけでは探しきれないから、確実に探せるように、カテゴリ、分類、ナビゲーションが必要。場合によっては、Wikiなんかで総務部メニューとか、規定集のポータルサイトを作っておき、これをエンタープライズサーチからでも拾えるようにしておく。記事”完璧を追求できるか、エンタープライズサーチ”に書かれている「Googleのようなホリゾンタルなアプローチだけでは上手く行かないのではないか?」とか「ドメインをきっちり決めてバーティカルに」というのは、そういう意味だと思う。企業の組織体系に応じたポータルがあって、欲しい情報がすでに別の手法で探せるという第一段階があって、その上のエンタープライズサーチがある・・という視点。

・コンテンツだけでなく、組織、個人(問い合わせ先)も探せる必要がある
Know-Whoといわれる部分。検索で、業務上の問題が100%解決することはありえないから、誰が一番詳しいのか?とか誰に問い合わせれば早いか・・を提示してくれるとありがたい。単純に言えば、検索結果に作成者の情報は必須だということ。「あなたが知りたいことは、誰それが詳しく知ってますよ」。

・誰かに聞いた方が早い場合がある
「誰が知っているか」が暗黙知じゃなくって、コモンセンスになっているべきものが会社組織というもの。
そうであるなら、検索なんかに頼ってないで、フェイスtoフェイスで情報交換をしたらどうなんだい?ってことか。誰かに聞く、同じレベルの役職なら良いだろう。人事部長に「私の給料の妥当性について教えてください」って言っても、教えてくれないだろうが・・・。
良くも悪くも情報アクセスに権限階層がある。情報を握ることによって、権力を維持しているともいえるか。
しかしそれを言っちゃ「うちみたいに肩を寄せ合って仕事しているような環境では、検索システムよりもちょっと聞いた方が断然早いよ」といわれた場合に、何も提案できない(汗)。