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ザ・サーチ〜グーグルが世界を変えた / ジョンバッテル

筆者のジョンバッテルという人は、あの”ワイアード”の共同創刊者とのこと。
ワイアードは、先端技術を紹介しながらも、文化の側面から現象を理解するといった視点を常に持っていた。この本も同じで、googleの技術に深く入り込みながらも、歴史をトレースしつつ、なぜgoogleが世界で最も注目されているか、分かり易い文章で理解させてくれる良書。最終章は、セマンティックWebメタデータについての可能性について書かれている。

Google検索がインターネットへの標準インタフェースになった今、他の検索サービスが、これをひっくり返すのは容易ではない。すでに何億ページものインデックスと、一日何億ものクエリー、トラフィックを取得しているgoogleが、インターネットの知識を最も蓄積しているのは言うまでも無い事実。
Webがセマンティックに再構成されたとき、XMLをクロールしながら、意味のマッピングを行うクローラ・インデクサをgoogleが開発したとき、インターネットが本当に知能を持つように見えてくるのかもしれない。
単純なキーワードを入力しても、ユーザの意思を確認するかのような応答をgoogleが返し、よりユーザの意思に忠実な情報を次々に提示し、問題の解決を直接的に行う。HALだ。
googleはつい最近、過去200年分の新聞(英語圏のみ)を検索するサービスを公開した。図書館や美術館、博物館のアーカイブも手がけようとしている。次々と検索対象ドキュメントの範囲を広げて、知的なインターネットの構築に余念が無い。ナショナルアーカイブどころではなく、グローブアーカイブ
検閲され、不当なインデックス削除を命じられ、政争の道具に使われる可能性が濃厚にある。
事実、911を検証するサイトのページが削除されているらしい(googleのキャッシュとして残っているのかな?)、インターネットが最も信頼されるジャーナリズムとして信頼されるにしたがって、情報統制のツールとして悪用されたり、世論誘導に使われる可能性が高まるわけで、今後もgoogleから目が離せない。