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電子楽器、音楽、コンピュータ、プログラミング、雑感。面倒くさいオヤジの独り言

ハッピィ・エンジニアリング〜新しいシステム開発の処方箋/吉田智彦

システム開発は敗者のゲームである
なぜ我々は常に敗走を重ね、デスマーチに加わらなければならないのか
なぜ我々は達成感や満足感と無縁なのか。そしてどうしたら幸せになれるのか。

率直な問題提起と、火を噴く現場の状況の描写が面白く購入。
中身はプロジェクトマネージメントについて、まじめに記述したもの。
ケーススタディとべからず集といった趣。
自分が今現在、火を噴いたプロジェクトを統括しているのでも、将来そのような立場になるとも分からないが、問題山積のソフトウェア業界について、暇な時に思いをめぐらせて見るのも悪くない。
火を噴くプロジェクトには必ず問題があり、あらかじめ回避する方法も、解決に至る方法もある。
ならば、出来るだけリスクを最小化するために知恵を使おうじゃないか・・・という感じ。

ただ、なぜこれが書かれていないんだ?という点がある。
ハッピーになれるプログラミングの話ならば、当然ながらアジャイルとかXPなんていう話も出てきてもいいんじゃないかと。
大人数を動かすウォーターフォールなプロジェクトの話を前提に書かれているんだろうけど。技術のトレンドがコロコロ変わっちゃったり、顧客要望が運用しながらどんどん膨らんでいくWeb開発の手法から得られる部分って多いと思う。
・細かなリリースをスパイラルに回す
・妙な書類を量産する時間で、お客とのコミュニケーションに時間を使え
・書類を書いているくらいなら動くものを作れ
・週40時間以上働かない
・つらい時は複数(ペアプログラミング)で、のっているときはソロで
・・・みたいな話。