Web2.0本の決定打を探しに書店へ。
豊富な資料と事例、読みやすい体裁、技術解説そして、何よりもコレを書いているのが、Webアプリのリーディングカンパニー”サイボウズ”の関係者であるというのが心強い。
サイボウズの歩みはそのままユーザへのリッチなWeb体験に繋がっている。
グループウェアをWebベースに置き換え、ブラウザさえあればOfficeワークの殆どをこなせるようになった。デヂエではオープンなワークシートとも言うべき、データ共有のアプリを提供し、最近ではサイボウズの新しいソフトウェアでajaxがふんだんに使われている。サイボウズ.netやフィードパスでは、タグやRSSによる新しいWebの活用方法を模索している。
圧倒的なシェアに甘えず、ユーザー重視の姿勢を持ちながら、未だに挑戦者としてマイクロソフトやロータスに挑戦し続ける姿そのものが、何よりもWeb2.0を雄弁に物語っているように思える。
常にオープンな技術動向を取り入れながら、ユーザの利便のために、自社のリソースを活用する。
あまりにも気持ち悪いサイボウズ賛美になってしまっているが、ユーザとベンダーの目線が同じであるというのはとても重要な気がする。
※「自分ならこう使いたい!」と「自分は使わないけどこういうものが欲しいんでしょ?」の違いっていうのかなぁ。
本の内容は、おおむね以下の構成になっている
■Web2.0とは何か
→意味を元にしたコンテンツの再構成
→Webがプラットフォームである
■Web2.0をとりまくテクノロジー
→XHTML/CSS、RSS/Atom、Ajax、Agile、LAMP、SEO
→クリエイティブコモンズ、フォークソノミー、URLパーマリンク、CMS/Blog/Wiki
■Web2.0的サービス
→Apple,Google,Amazon,eBay
■Web2.0未来予想
→Google vs Microsoft、インターネットとイントラネットの境界が崩れる、携帯やゲーム機に飛び火
■Web2.0ベンチャー最前線レポート
→FeedBusinessSyndication、Web2.0ベンチャー対談
■自分が解釈したWeb2.0
・ユーザがタグをつけることができ、システムの機能に対して何らかのフィードバックがある
・アプリ機能のうち、ユーザ体験(特にインタフェース)に配慮がある
・集合値を活用する仕組みになっていること
・OSやデバイスに依存しない(複数OS、複数デバイス間で利用できるWebサービスである)
・ユーザが所有するメディアであること
・ユーザの使い方をロギングし、アプリ開発にフィードバックしていること
■イントラネット2.0(?)に対するヒント
・検索エンジン、データベースシステムで、ユーザが参照した情報を検索結果表示の方法にフィードバックする。←たくさん参照されている文書を上位に持ってきたり、関連文書へのリンクを自動的に生成する
・情報に対して、ユーザが自由にタグを付与できる(固定的な階層管理を行わない)
・更新情報をRSSで発信できること
・WebサービスAPIによって他システムに機能を提供できること