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「脳」整理法/茂木健一郎

不安や未知と向き合うための脳との付き合い方。脳を如何に整理するかという方法を述べたハウツーでもなければ、脳の特定の機能を高めるためのトレーニング法が述べられているわけでもなく、最新の脳科学のトピックが満載なわけでもない。人間という種が、如何に脳を鍛え上げてきたかといった文化的な考察や、哲学的とも言える生き方指南などエッセイ的な構成。
それは筆者が、外部の目(科学)をベースにして脳を見つめるのではなく、もっと”生活知”に役立てるための脳の使い方を、今ここにいる自分の視点で語っているから。

統計で表される死亡率なんていうものは、自分が生きるか死ぬかという問題とは(少なくとも、主観としては)関係が無い。しかし、神の視座としての科学的思考が無い、自分様の脳ではいけない。
しまいには、バランスが大事・・という実も蓋もない言い方が出てきちゃっている部分はちょっと残念なのであるが、ネガティブな感情や落ち込みの効用を積極的に捉えていたり、未知なものを受容する能力が脳には備わっており、未知なものによるニューラルネットワークの強化が、新たな視点を生み出すなどのポジティブな意見は、ぜひとも参考にしたい。
ちなみに筆者茂木健一郎氏のblogを見つけたのでリンクしちゃう。
それにしても、脳整理法っていうタイトルってなんか違う。むしろ、外部情報にしろ内部ループにしろ、脳自身が勝手に整理するわけだから、意識の持ち方として”未知を求めよ。キャパシティを広げろ”ってストレートに主張しちゃっても良いんじゃないか・・・と。
余計なお世話ですね(汗)。