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電子楽器、音楽、コンピュータ、プログラミング、雑感。面倒くさいオヤジの独り言

テレビの嘘の見破る / 今野勉

学生の頃から興味を持っているメディアリテラシーネタ。
TV・コマーシャルの洗脳的効果、世論誘導、ニュースの嘘みたいなところから、今回のはドキュメンタリーのやらせ問題。
ちょうど、この本が出たのがNHKのドキュメンタリー「奥ヒマラヤ 禁断の王国・ムスタン」の不祥事(?)があった時期らしく、テレビマンであった著者の鼻息も荒い。

やらせが悪いとか許容されるべきなんていう結論はどこを読んでも出てこない。
著者のスタンスは「ネタを提供するから、読者がそれぞれに考えて欲しい(いっしょに考えましょう)」っていう一見ソフトな方法なんだけど。はっきり言って”歯切れが悪い”だけ。
予算が限られた中で、制作されるドキュメンタリーの現場の紹介や、取材に来るというと張り切って演じてしまう素人の話など、「まぁそうだよなぁ」とか「それくらいはやってるだろうなぁ」という感じはする→やらせの許容
しかし、例えば、「取材の期間中に何も起こらなかった」っていう結末の方が自分は見たい。
ニュースでも、ネタが無ければ「今日は、特にお伝えするような事件は発生しませんでした」っていうニュースがあってもいいじゃないか?と思ったりもする。
「視聴者は我々の提供するニュースなり、感動的なエンディングを求めている」って変に、自意識過剰な思いがあるから、やらせだの、演出だのって悪口言われるんだけど、それを「視聴者の求める番組を提供するのが我々テレビマンの使命なのだ」となっちゃうと。
「儲かるんなら何してもいいじゃん」って言っちゃう”悪徳業者”とか詐欺なんかとなんら変わりない。
会社が書類を捏造したり、洗浄を怠ったりすると激しく糾弾するくせにね。
自浄作用がない世界なんだね。メディア関係って。
ISO9000やれよ!(笑)顧客満足度調査(視聴率調査じゃなくって)とかトレーサビリティ(密着取材○○とかじゃなくって)とかさ。