y-matsui::weblog

電子楽器、音楽、コンピュータ、プログラミング、雑感。面倒くさいオヤジの独り言

2999年のゲーム・キッズ 完全版

渡邊”KOZY”浩弐の未来小説「2999年のゲーム・キッズ 完全版 」を完読。
寝る前のちょっとした時間(最近は寒いからか、布団に入ったらすぐに寝てしまうので、本当に短時間)を利用して、ちびちびと読み進めてきた。
これがゲームキッズシリーズの完結編なんだろうか?

以前のようなポップさが鳴りを潜め、コンピュータが原始レベルで完璧にエネルギーの入出力をシミュレーションし、人間の未来を制御する不気味な管理社会の描写。人は有機体ではなく、コンピュータ化されている。記憶を簡単にデリートしたり、DNA解析によってその人物の未来まで分析済み。しかしそれは、2999年を待つまでもなく、今現在、ここで生じていることの引き写しではないかという、微妙なストーリー。
人を殺す感情がこれでもかというくらいに出てくる。ひとつのテーマですべての短編が貫かれていることが分かる。
これは、やはり最近の小説だ。読後感が心地よくない。現実に起こっていることと頭の中でつながり、不気味な印象を残す。