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電子楽器、音楽、コンピュータ、プログラミング、雑感。面倒くさいオヤジの独り言

人の関連を管理するデータベースシステム

RDFの試みの中で、FOAFという個人情報の相互交換技術が提唱されている。
人間の興味や他人との関係なんかをXMLのタグで表現して、特定の人だけに読ませる属性なんかを暗号化して・・・
って面白そうなのは確かなんだけど、技術的な興味とは違う部分で大きな論争が発展しているみたい。
サイバースペースで友達を見つけるビジネスとテクノロジ(japan.linux.com)

人間を検索するDNSのような仕組みまで提唱されている
(これってLDAPのようなディレクトリサービスとか、チャットのメンバー検索とどう違うんだろう?)
ソーシャルネットワーキングシステム(友達の輪をシステムで管理する)”っていう単語が出てくるのだが、この”ソーシャルネットワーク”って単語、ちょっと怪しい使われ方をしているような気がする。
ネットワークビジネスって聞いたときに真っ先に想像するのと同じ、うさんくさい感じ。
ねずみ講とか、友達を勧誘してインセンティブがあるとか・・・。
仮に、ソーシャルネットワーキングなんていう単語でググっちゃうと、単なるグループウェアとかblogとか掲示板とか日報管理みたいな仕組みを”ソーシャルネットワーキングシステム”なんて吹いてる会社もあるし、「嘘つけ!」って思う。

FOAFや人間版DNSのプライバシー問題については、上記記事にも書かれている通り、「一人の人間には、プライベートとパブリックが存在しており、どちらの面をいつ、どのように、誰に対して、どのような理由で見せるかは、その個人が選択できなければならない。」っていう見解でも足りない気がする。

誰が、”自分に関する情報を、誰にでも見られるようなシステム”に登録するもんか!
ネットワークセキュリティの現状について、少しでも考えたことがあるのなら、「暗号化機能があって、公開制御の仕組みがあれば良い」なんていう能天気なたわごとに耳を貸す必要はない。


FOAFじゃないが、個人的には経営資源の分析用に、個人間の関連や、属性値(売上げであったり利益であったり)の強さを分子構造みたいな”球”と”接続線”で立体的に可視化でき、属性値の条件によって、球が近づいたりする様を見られたら面白そうだと思ったことがある。
・・・でそういったビジュアライザーを作ったら、経営者が物事を多角的に判断したり、これまで見えなかった部分が見えてくるかもしれない・・・と。
例えば、業務の成績は部や課単位で損益計算書や時系列比較のグラフで表現されたりするが、実際に組織の壁を越えて、繋がりあっている個人間の関係や、その強度、彼らを支える他の人間の貢献などが見えたら、その時々で最適な組織の組み換えなどがよりスピーディーに出来たりしないか・・・と。

やり取りしているメールの本数でも良いし、社内アンケートなどの回答の相関関係でも良い。誰と誰が影響しあっており、結果どのようなパワーが発揮されているのか・・・が分かったら面白くない?

全然ソーシャルネットワーキングの話題から離れてしまっているけど(まぁ、会社という組織の中に適用したソーシャルネットワーキングなのかな)、間違っても友達を探すための技術ではなく、経営資源を管理するためのツールですな。