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電子楽器、音楽、コンピュータ、プログラミング、雑感。面倒くさいオヤジの独り言

中島本”私の嫌いな10の言葉”を読了

人の愚痴をずっと読んでいるのは、とても辛いことだ。
極度に粘着質で、攻撃的で、面倒くさい。

”私の嫌いな10の人びと”を読んでいる時は、世相批判というか、現実と戦っている風情があり、「ふんふん」と同感しつつも読んでいたのだが、こちらの”10の言葉”の方はいけない。過去に氏が浴びせられた言葉に対して、復讐しているようにしか見えない。シャドウボクシングと言おうか。
(マジョリティとしての)他人のここが気に入らない、(善人ぶった、傲慢な)あの言葉が嫌いだ・・と思っているだけなら、害は無い。
しかし、氏はそれを「私はこれこれが嫌いだ」とわざわざ表現し、自省を求めているように思う。これが力への意思(権力)でなくて何なのだろうか。
繊細な感受性を持ったマイノリティの言うことをマジョリティは聞くべきだと主張しながら、氏は、マジョリティを寛容に受け入れたりはしない。
恐るべき非対称。

”エゴイスト”、”人生を半分降りる”、”私の嫌いな10の人びと”と読み進めてきたが、最も読み辛く、痛々しかった一冊。
エゴイストでニヒリストで、原理主義者。

このあたりのことは、氏もあとがきで述べているが、他人を許せなく、偏屈で、自分にも嫌気が差していて・・・とまぁ、100%虚無主義&厭世主義。加齢によるものなのか、頑固おやじ炸裂である。

自分は、自分の人生や自分が嫌いな言葉と戦おう。氏が嫌いな人間や、嫌いな言葉を読んで、同感したり、嫌悪したりしても仕方が無い。
氏が嫌いな言葉は、自分が嫌いな言葉と違うし、氏が体験したことは、私が体験したこととは違う。

ありがとう。中島先生。