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電子楽器、音楽、コンピュータ、プログラミング、雑感。面倒くさいオヤジの独り言

意思の勝利

ムック”ヒトラー伝説”に付属のDVD”意思の勝利ナチス党大会の長編ドキュメント”を見る。第六回ナチス党大会の模様を109分も収録した映像資料。
オリンピアを撮ったレニー・リーフェンタールによるナチスプロパガンダ
第一次世界大戦で疲弊した当時のドイツ国民が、期待を込めてヒトラーに向ける満身の笑顔、ヒトラーユーゲントの若い肉体と希望に満ちた姿、党大会の熱狂、陶酔、祝祭、興奮、高揚が収められている。
基本的にはヒトラーマンセー、ドイツ萌えのプロパガンダ映像であるから、差し引いて現実とは違うと見るべきだと思うが、ヒトラーの人心掌握術、天才的な演説は、色あせることが無い。
ユダヤ人、精神薄弱者、身体障害者を排除した上で築こうとした第三帝国に対して、現時点で断罪することは出来る。
・・が、自分が当時のドイツ国民として生を受けたならば「国家社会主義反対、ナチス反対、ヒトラー反対」を叫べたとはとても思えない。
悲劇、復讐、ルサンチマンの反動としての虚栄、強さへの意思
戦争忌避の反動としての平和への希望、疲労、衰弱の反動としての健康
老齢の恐怖への反動としての若さへの期待
祖国分断の反動としての統一
YMOが散開コンサートで、ナチス党大会をモチーフにした。予想に反した熱狂があったと後に漏らしたと聞いたことがある。制服のカッコよさ、舞台装置のカッコよさは、それ自体、否定されるものではないと思う。
そして、言っちゃいけないことだとされているが、
たぶん、ナチス党大会っていうのは気持ち良かったんじゃないかと思う。
ナチス自体は、日本の特攻や国粋主義と同様に、やむをえなさ、つらさ、恐怖、なんかが入り混じった、どうしようもなさが錯綜していた代物なんじゃないかと想像する。)