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電子楽器、音楽、コンピュータ、プログラミング、雑感。面倒くさいオヤジの独り言

Mora(曲配信サイト)で曲を購入するということ

前の記事でOpenMGなど著作権技術付き音楽フォーマットについて、ぼろくそにこき下ろした。理由は二つあって、ひとつはCCCDや利用を制限する音楽フォーマットによって楽しみ方が半減するということ、もうひとつは音楽配信サイトで独自フォーマットの曲データをダウンロードしたところで、従来どおりにカーステレオや自宅のオーディオで音楽を聴くことができるかどうかが良く分かっていなかったため。
だって,ユーザ登録してお金を払った客に対してMP3でダウンロードさせてくれれば、権利収入的にもユーザの利便性にしてもベストじゃないか!
さて著作権保護技術が前提になって商売に繋がっているのが、音楽配信サイト。
1曲150円とか200円で曲をダウンロードできるので、CDを買わないでも聴きたい曲だけ買うことができる。
CDごと買って、捨て曲に悔しい思いをするよりも、はるかにユーザ寄りに思える。
実際に、TVCMで「お!この曲いいねぇ」と思ったようなのをネットで見つけて、即座に150円でゲットできちゃうというのはかなり快適な音楽生活。妻が”SweetBox”とか見つけてきて聴かせてくれる。これなんかCD屋でジャケットを見て興味を覚えたり、ジュークボックスでたまたま耳にする可能性はかなり低いし、なんせエイベックスなんで、自発的に手にとることはありえないと思う。でもCMで曲を耳にして「いいいねぇ」と思い、それを入手できるチャンネルがあるというのは歓迎すべきこと。特に自分みたいなレーベルに対して妙な偏見を持っている消費者には、「音楽そのものを聴いてもらい、購入してもらう」というフェアな状況になっていると思う。
翻って、アーティストに対してはどうなんだろうか。音楽配信サイトで曲単位の切り売りをされるということに対して。

しかし、アーティストは売れたり評判になった曲だけ聴いてもらえればそれでOKなのだろうか?
むしろ、売れていないが聴いて欲しい曲があるはずだ。(全部一通り聴いてから判断して欲しい・・・というスタンスの方が、普通のアーティストの気持ちだと思う)
また、かつては流通マージンやらジャケット、スリーブなどの装丁も含めて商品だったのが、裸のビットデータにダウングレードしているのである。購入に際しては、客が自分の契約している回線を利用している。客が勝手にDBで検索して商品を見つけてくれて・・・非常にコストを圧縮できる販売方法だと思う。
それなら、1曲150-200円でも全然高いんじゃないか?とも思える。
12曲-15曲くらい入った洋楽のCDが2000円程度で買えちゃうんだから。ヒットした曲と捨て曲の割合が1/10だとしても、曲の原価なんてどうなんだろうねぇ。もともとアーティストに渡っている版権なんて1割もないんじゃないか?
ディストリビュータの仕事(プロモーションやら)が購入動機の大きな部分を占めるのはわかっているが、広告屋に多くの金が渡っているんじゃないかと疑心暗鬼になってしまう。いや、ちゃんとしたネットプロモーションサイトを立ち上げて金をかけて、盛大にやってくれても良いんだけど、Moraのようなポータルサイトに曲データをアップロードするだけで、従来と同程度の金額を徴収するってのもどうなんだか。
もう、アーティストの名前だけで売れるなら、アーティストのサイトから直接ダウンロードして、多くの利益をアーティストに還元したいよ。「がんばってね!」ってカンパするような感じで。ネット投げ銭ですな。