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電子楽器、音楽、コンピュータ、プログラミング、雑感。面倒くさいオヤジの独り言

下流社会/三浦展

「いつかはクラウン」から「毎日100円ショップ」の時代へ。"新たな階層集団の出現”、”もはや「中流」ではない。「下流」なのだ”だそうである。
統計を元に、新たな階層が出現していると断じるこの本。
向上心がない(からより上を目指すべき)、ファストフード、コンビニ、ファミレス、フリーター(ニート)は下流・・・となかなか手厳しいもの言いだが、働かなくてもそこそこ暮らせてしまうなら、”それもアリ”と自分の人生を決め込んでしまうことに対して、「何がいけないのか?」が全く見えてこない。
六本木や山の手近辺に暮らすことの何が素晴らしいのか?BMWをなぜ目指すべきなのかが全く見えない。
東京周辺(西武沿線)で一生を終えようとする最近の世代に対して「それでいいのか!」と挑発してたりするが、「なんで副都心みたいなところでマイホームを持って、そこで満足して暮らしてる人を見下すわけ?←ちょっと筆者に対して不快感。
年収1000万以上の高所得者層になったら、何が素晴らしいのか?具体的に示すことが出来ないことが、そのまま”そこそこ暮らせているのがなぜ問題なのだ?”と直結している気がする。
そして筆者は”左翼運動家のように、搾取されている層がいることを糾弾しようというのでもない”とエクスキューズするのである。それならば「株で大もうけして、球団やTV局を買えるようになったらどうなの?」なんていう感じの、○えもんのようなニューリッチが目標なの?ってことなんですわ。

ともかく、中流が二極化してきて、下層ではなく、下流という層がいるんですよ・・・ということだけですな。
階層を意識する人が層を形成するんだから、この本は、むしろ下流という層を作り出そうという意図なんだな、きっと。「300万円の年収がないと下流ですよ!」って言われりゃ「畜生!って思うかもしれないけど、逆にですよ、300万円で貯金もなしで、安い(決して旨くはない)食い物で、そこそこ楽しみを見つけて暮らしてるっていうのは、凄いタフなことじゃなかろうか?ロック、ラップ、ジャンクフードなんて下流の代名詞だし、インターネット、ゲームなんてのも下流ということだが、それじゃー上流のたしなみとやらが楽しいかどうかを見てみたいね。
買いたい車が見当たらなくて所有欲を満たすだけの高級車を買うことよりも、身の丈に合わないようなスポーツカーを買って、いつも磨いてるヤツの方がシンパシー覚えるし、高いところっていうだけで人を見下ろしながら暮らすことが大好きなニューリッチよりも一生かかっても返せるかどうかの借金をして、家族の笑顔だけを励みに頑張ってるサラリーマン、15%の消費税に怒りを覚えちゃうようなプチな市民じゃ嫌?(笑)
※あ!この人、マーケティングとかシンクタンク系の”世代を総括しちゃったり””流行をプロデュースしちゃうような”怪しい商売の人だ(笑)まぁ、いっか