映画を見る前、”死ぬまでにしたい10のこと”と聞いて、快楽主義的なことを想像した自分が恥ずかしい。
主人公は、残り数ヶ月の命を宣告された23歳の女性。夫と子供二人と、訳ありの父母がいる。
残された時間を、主人公は何に使ったか。リアルで平凡で、それでいて非凡な10の計画。
旦那とは異なる男と恋に落ちる、刑務所にいる父に会いに行く、髪型を変える・・・など
最も心を打つ”こと”は、子供が18になるまでの分の誕生日メッセージをテープに録音すること。
平たく言えば遺言なのだが、死ぬまでの時間、誰にも病気のことを打ち明けず、ただ残された人間たちのことだけを案じて、メッセージを残すというのは、普通じゃない。
旦那の幸せ、娘たちの幸せ、母親の、浮気相手の幸せ。
もはや普通に生きることができないと分かってしまった人間の、普通じゃない数ヶ月だと思った。
大げさな演技や演出が無く、淡々とさりげなく、時間が流れていく感じ。
描き方も自分が好きなパターン。
