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電子楽器、音楽、コンピュータ、プログラミング、雑感。面倒くさいオヤジの独り言

Web2.0が殺すもの/宮脇睦

最近、書店に溢れかえるWeb2.0本の中でも、珍しく批判的なスタンスで書かれた本書を発見。
特筆すべきデータや視点が提示されるわけではなく、「既存の商売が喰われちゃったりすることはないし」、「あちら側よりもこちら側でしょ」、「ちょっと楽観的すぎやしませんか?」っていう常識的な視点。
行き過ぎた楽観視や性善説、「みんなの意見は案外正しい」を諌めるようなトーン。
筆者は、プログラマーであった頃もあるようで、マーケティング屋さんほどには、プログラマが「Web2.0」に対して特別な思い入れを持っていないことに着目する。確かに”Web2.0”って言うとき、怪しげな匂いを感じるし、バズワードっぽい。RSSAjaxが技術名称であることに対してWeb2.0は曖昧だ。
いつまでもベータ版なのに、Web2.0とは如何に?という筆者の素朴な疑問には同感。

ただ、「みんなの意見は案外正しい」に対する批判については、雲に向かって攻撃しているみたいで、いまいち的が定まっていない。ここでいう”みんな”というのが実は誰でもない統計上の平均であり、正しい結論を出す場合の前提条件である、多様性、独立性、分散性などが確保されているというのがずっぽりと抜けている。(「そんな集団がそうそうあるかぃボケ!」と突っ込んでおくのがとりあえず、有効だと思われる)