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電子楽器、音楽、コンピュータ、プログラミング、雑感。面倒くさいオヤジの独り言

死の天使 アウシュビッツ収容所人体実験医師

ナチスで残酷な人体実験を行った医師”ヨゼフ・メンゲレ”と、その息子の関係を描いたヒューマンドラマ。
南米に隠遁する父と、息子が再会する。戦後生まれの息子はナチス戦争犯罪を追及する側。
父と息子の理解の物語なのだが、戦後のイデオロギーと戦中のイデオロギーはなかなか相容れない。
息子は父に言い放つ「罪を認めろ。裁かれろ」
父は息子に毅然として言い放つ「私は人を殺したことなどない」
父の首に手をかける息子。
ナチス優生学を息子に吹き込もうと、植物たちが生存競争を繰り広げる森へ誘う。
傍にあった枯れ木を手にし、父に殴りかかろうとするが出来ない。

戦争被害者寄りでも、ナチスイデオロギーに加担するわけでもなく、父と息子をクローズアップして描かれている点は、人間ヒトラーを描いた”ヒトラー最期の12日間”と驚くほど似ている。
もちろん、被害者家族に焦点を置いた映画がゴマンとある以上、加害者を人間として描くこと自体が、偏向しているのだろう。

「父よあなたは本当に罪びとなのですか」の映画コピーが痛々しい