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電子楽器、音楽、コンピュータ、プログラミング、雑感。面倒くさいオヤジの独り言

SunCobaltRaQ

以前、アプライアンスサーバが大好きで、SunCobaltに惚れていると書いたことがある。
仕事の関係で、10台近くのCobaltRaQとお付き合いした(今もお付き合いしている)。
古くはCobaltNetworks時代の傑作機”CobaltRaQ4”から、Sunに買収された後年のSunCobaltRaQ550(実はこれが一番完成されたCobaltだと思っている)、最近では安川情報のBlueRackを扱っている。
Cobaltの良いところは、シンプルでかっちょいいところ・・・と言えば、いかにも素人っぽい言い方なのだが、本当に他のサーバと比べても良いのである。
余計なプログラムは入っていなくって、パッチ当ても簡単、管理用のGUIも秀逸。手間が掛からなくて、安定していて、安価で、見た目もセクシー。

以下、Cobaltへのラブコール

■管理用GUI(現:BlueQuartz)の秀逸さ
Linuxの管理ツールと言えば、HDEのLinuxコントローラとかWebminなんかが良く知られているが、商用Linux機ではCobaltがいち早くWebGUIを標準で採用していたように記憶している。ユーザ管理、Webサーバ管理、メールサーバ管理、DNS管理など、環境設定から日々の管理まで、特に凝った設定をしなければWebだけでなんとかなっちゃうってのがかっちょいい。他のものになると、ちょっと都合が悪くなると、直ぐにtelnetだのviで環境設定ファイルを修正しろだのと逃げを打つ。挙句の果てには、正しく動作させるためには、それなりの知識が必要ですなどと、ユーザに自分達と同等のスキルを求めるようなことまで・・・。提供者とユーザの立場の違いが分かっていないに違いない。
「必要と思われるものは、Web画面で行えるようにプロフェッショナルとしての私どもがセットアップしてあります」という姿勢が美しいのだと言いたい。
CobaltのWebインタフェースは、TCPポート81や444(SSLの場合)でアクセスする。通常のhttpポートを使わないのは、「ファイアウォールで管理系アクセスを制限するため」だと思えてくる。実に良心的ではないか。
Sunが出した最終バージョンのRaQ550は、ディスクミラーリングの状況や、ファンの状況などまでWeb画面で確認できたし、Web、メール、ディスクの使用量などの統計を簡単に見れた。パッチの情報もSunが管理しており、WindowsUpdateみたいに即座に適用できた。

■パッケージ内容
apachephp,sendmail、majordomo、pop3d、ftpdなどredhat4系の機能と同等。当然、デスクトップアプリケーションなどは無い。pkgという独自形式で提供されたのは、webalizermysql、squirrelmailあたりだけ。rpmで提供されているソフトウェアをGUIからそのままインストールできないのは痛いが、メーカが責任を持って互換性などのコントロールをしてくれているという安心感があった。

最近は、商用のLinuxとして殆ど定番化したと思われるRedhatEnterpriseLinuxがあるが、こいつったらグノームデスクトップでグラフィカルログインすると、余計なソフトウェアが死ぬほど入ってる。Netscapeのブラウザ、メーラだけならまだしも、ゲームやチャットソフト、オフィススイートなんかサーバOSに入れるなよ!
TurboLinuxでも同じようなものだろう。なーにWindowsに対抗意識を燃やしてるんだか
サーバOSなんでしょ?誰かがデスクトップにログインして使用するコンピュータじゃないんでしょ?

■ハードウェア
歴代Cobaltのハードウェアは非常に優秀だった。CobaltRaQ4ではファンの故障があり、熱暴走という恐怖もあったのだが、それ以外のトラブルは一切なし。SunCobaltRaQ550になってからは、CPUの影響なのかファン音が馬鹿でかくて辟易とするが、そこはRaQ4の反省が良いフィードバックになっているのか、ファンの故障もディスクの故障も、当然メモリもCPUも非常にタフである。半年一年放置されてても、全く不具合を生じないハードウェアというのは非常にありがたい。一番心配なディスクがノートラブルですよ。部品がしっかりしているのか、熱対策がしっかりしているのか。RAID5じゃなくって、ミラーというのも好ましい選択です。システムとして格段にシンプルだし、部品だって安価だ。
比較でこき下ろすのも気が引けるが、例えばD社の1Uラックサーバの場合は、マザーボードとかRAIDコントローラとかで良く故障していた。やれRAIDコントローラのファームウェアをアップデートするだのなんだの。
安価なミラー用コントローラの方が安定しているってのが現実(大笑)。
「安いのは良いんですけど、良く部品の選別をしてからリリースしてくれませんか?」と言いたい。
自分が関係したD社のサーバでは、管理している5台のうち2台で発生して、ASPサービスの停止を余儀なくされた。(怒)
安定的、継続的にサーバ運用したいからRAIDコントローラなのに、自分が故障してどないすんねん!
いいですか?パソコンオタクが使うデスクトップコンピュータじゃないんですよ?安くても壊れても良いサーバなんてないんですよ。サービスを15分止めるだけでも、事前に顧客の了承を取り付けるような、ネットワークサービスに使うサーバですよ。
Cobaltがダウンした時は、一時的にtelnetを許した間に進入を許してしまい構成情報を壊された一件だけ、Cobaltに起因する要因は一切無い。

■安川情報のBlueRack
SunがCobaltのサポートを打ち切ってから、BlueQuartzという形で、GUI部分がフリーソース化された。
これを利用して、TurboLinux上にBlueQuartzを載せてCobaltユーザをフォローするメーカーが現れた。
ムービットと安川情報だ。安川情報のBlueRackを仕事で使っている。
あの美しいコバルトブルーの筐体を期待していたが、原色ブルーの筐体にこれまた原色の黄色いボタン。LEDが付いてるのはCobaltの直系らしい。ハードウェアは当たらし目のインテルチップにハードウェアRAIDと、Cobalt時代よりもパワーアップ。UPSアンチウイルスまでもGUIから扱うようになっている。
パッチ当てもメーカーのネットワークに接続して簡単に行える。(しかし適用後、勝手にリブートしたりするのは余計なお世話かな)
Cobaltには世界中にファンがいて、pkgをフォローしていたが、安川情報のバージョンは必要なソフトウェアの提供が非常に遅い。webalizerが提供されないから、勝手にawstatsを入れてるし、mysql、postgresなんかも勝手に入れてもサポート外。
どうしても自助努力の領域になっちゃう部分があるのはCobaltネットワークス、Sunの場合でも同じか。
世界的にユーザ層が厚くて安心なのはRedhatだろうなぁ。Turboでも良いけど。