y-matsui::weblog

電子楽器、音楽、コンピュータ、プログラミング、雑感。面倒くさいオヤジの独り言

こんなチョイスも無きにしもアラブ

少し前(8年くらい前)に、全文検索システムというのに興味を持っていた。
数百万〜数千万は当たり前!と言われていた、高嶺の(そして高値の)花だった頃。
そう、まだLinuxNamazuだなんていう声は全くのひそひそ話だった頃。
無謀にも200万円程度で全文検索システムの提案をしたことがある。秘策があった。
グループウェアとして世の中を席捲していたLotusNotesを使っちゃうっていうアイディア。
当時DominoというWebサーバに進化しようとしており、バージョンは4.5.
全文検索が出来るオブジェクトデータベースで、添付ファイルの全文検索にも対応していた。
これにテキストファイルを食わせてやって、Webから検索してやろうじゃないか!という野心。
素晴らしいことに、フィールド指定の条件検索も出来たので、いとも簡単に属性検索+全文検索というWebデータベースが出来ちゃったのである。元がグループウェアなんで、なんならメール送信までしちゃうよ!っていうノリで、ショッピングカートと発注確認メール送信とか、会員管理、メルマガ発行のシステムまで拡大解釈しちゃう有様。実際に1万人規模の会員管理や文書管理的な用途の全文検索システムとしてLotusDominoが大活躍。
自画自賛ながら、費用対効果としてはかなり顧客に貢献できたと自負している。
XMLが来る」と言われても、全文検索システムは相変わらず盛り上がっていない。当然全文検索エンジンの出荷数も少ないから高値の花のまま。サポートだって期待できるのやら・・。
それよりも自社でノーツを使っているノウハウ(管理ノウハウや強み・弱みの把握)、スクリプトで簡単に機能を開発できて、「出来る・出来ない」の即断、実現するまでの圧倒的なスピード感。ロックだ(またかぃ!)
NAMAZUで提案してきた野心的なソフトウェアハウスは、日本語検索に悩みを抱えたまま、あっという間にNAMAZUを放り投げた。高価なXMLデータベースエンジンを担いで自慢していたソフトウェアメーカーも、XMLエンジンの優秀さとは釣り合わない、経営の脆弱さで倒産。開発メーカーとして、お客と歩調をあわせてサポートし続けたり、やりたいことを即座に形にしてみたり、メジャーなプロダクツを選択したり・・・っていうのは非常に重要だと思っちゃう。NSXのエンジンが凄いっていったって、日頃乗るのはシビックだし、一品モノの車なんかよりも市販車で、メカニックだけじゃなくって運転者にも技量を要求するようなソフトウェアなら、要らないんですわ。

まだまだこういうのもある。
申込書の帳票をインターネットユーザに提示したいっていうニーズがあったとき、帳票のコンポーネントやら色々調べた結果、FDFを選択した例。帳票フォーマットが独自ならビューアのインストールが必要だし、コンポーネントのライセンスだって安くはない。PDFをまともに生成するにはツールキットが必要で、レイアウトなんかは座標で指定のハードな内容。「何かないか?使えるものは」ってんで、ワープロなんかで作成したPDFフォームに、テキストデータを割り付けて表示するFDFにたどり着いたってわけ。クライアントがAcrobatReaderをインストールしているなんていうのはもはや珍しくもないし、GetAcrobatアイコンを貼り付けておけば、まぁユーザは舌打ちするだろうが、どこぞかのわけの分からんメーカーのビューアをインストールさせられるのに比べれば何百倍も良い。
開発はFDFのヘッダを偽装して、テキストデータを書き出してやれば良い・・・ってんでPHPでちょいちょいと作りましたよ。PDFの書類そのものはお客に作ってもらうことで、お客が気に入るまで作りこんでくれるし、一石二鳥ですよ。
この部分がもうちょっと広くならない?だの文字をもう少し大きくだの、フォントはこれで・・・とか細かな調整は一切不要で、こちらは「どんなフィールドが必要か」を考えてテキストを書き出すだけ。
結果、非常にローコストにリリースできたわけですな。ツールキットを使ってCでゴリゴリCGIを作って、レイアウトなんかも気が済むまで校正を繰り返して・・なんてやってたら何百万円掛かったか分からない。

これなんか”かなりロック”っていうか、デジロックですな。ありもの利用(サンプリング)で出音は本格的っていう。