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電子楽器、音楽、コンピュータ、プログラミング、雑感。面倒くさいオヤジの独り言

プログラムに趣味が?

どうやらコンピュータプログラムの世界にも趣味が存在するらしいことに気が付いた。
これまでは、顧客の要求に対して正解が存在し、正解に至る道は(ルートの違いこそあるものの)必ず似た方向になるものだと思っていたのだが、どうやらそうでもないらしい。
「え?プロフェッショナルな現場なのに?」「表現物というよりも、プロダクツ(製品)なのに?」っていう感じなのであるが、実際に趣味が幅を利かせているおかしな代物なのである。
以下、言いたい放題の散文モード
「やっぱJava(もしくはC#、.NET)でしょ」=「やっぱJAZZでしょ」
Oracleでしょ、やっぱ」=「やっぱアンプはマーシャルでしょ」
「え?VBなんかで組むの?」=「え?邦楽聴いてんの?」
「アクセス?大丈夫?そんなんで」=「ラップなんか音楽じゃないって!」
LAMPで開発っすよ、フリーソースっすよ」=「インディーズってメジャーよりも面白いよ」
「Cさえあれば何でもできる」=「基本はクラシックでしょ」
・・・って感じ。
目的は、顧客のニーズ(予算、主目的、好み)にあわせることであって、ハンバーガーを求める客や、高級食材を求める客や、とにかく早く食いたい客、ゴージャスな雰囲気そのものを楽しみたい客なんかがいるわけである。
ポップスを求めている客にフルオーケストラは不要だし、ジャズを聴きに来ている客に対してラップじゃ失礼(場違い)というものである。

こう考えると、「んー、客商売である以上はやっぱり趣味の世界が入り込むわな」ということ。
自分の好み(音楽、食料)は安くても上手いもの、高く留まっている割には、その優位性が分からないものにはそっぽを向きがち(付き合ってやる必要性もない)、求められている音楽(食材)がやっぱりいいものだというメジャー嗜好。
体に悪い食べ物でも、気分を害する音楽であっても、美しくなくても、しぶとく生き残っているのは凄いということ。
何よりも価値観を共有していない相手に対して、上からモノを申すものは大嫌いだ。
例えばJava,Oracleなんて闇雲に連呼しているヤツに多い勘違いだ。
「いいじゃねぇか、それ以外で生きてるプログラマーがいても」っていうことなのである。
そういえば、自分にもそんなことを言いたげな気分というのは分かる。
WindowsよりはUnixを知ってる方が偉いっていう感じ(色んな音楽を知っていて、コアな音楽の楽しみ方を知ってるっていう感じの優越感)
VBAccessよりもJava,Oracleの方が、大規模な案件にも対応している優秀な技術者なんです!みたいな勘違いな感じ。
スクリプトなんてサンデープログラマーが良くやってる(ワンランク劣った存在)みたいな意味不明優越感。
個人でLinux,PHP,Postgreで安価なプログラム開発請け負いますっての・・・インディーズで自分の好きな音楽やってます・・・的な、なんかカッコいいみたいな感じ(でもちょっとメジャーになりきれない卑屈な反骨精神めいたものも感じるんだな)。
「うん、なんとなく分かるんです」
ただ、それって
「やっぱピックアップはダンカンだよなぁ」とか「うぉぉ、ローズのオルガンの音ってやっぱ最高」とか
ストラトだよロックは」みたいなのとか「DJなんて所詮人の曲コピーしてるだけでしょ」とか
絶対音感がなくって、どうして音楽が出来るの?」なんていう宗教の世界と一緒ではないですか?
それを語ることで、ただ大きな流れに参加している自分に陶酔したいだけじゃないんですか?
と思うのである。うん、そういう傾向がプログラマにもあるはずである。
音楽の世界でも、コアなファン(排他的で原理主義的で狂信的)を相手にしか商売しないミュージシャンや、宗教的な信仰とでも言いたいくらいにひたすらトラディショナル(これも原理主義か)なミュージシャン、業界関係者だけに受けがよくって、一般ピープルには見向きもされないミュージシャンズオブミュージシャンってのがいる。
くそみたいな音楽で宣伝だけ上手なミュージシャンもいれば、コンスタントにファンを獲得して、末永く似たような曲を出すミュージシャンもいる。

サンプリング大好き(人のかっこいいフレーズどんどんパクればいいじゃん)、かっこよければいいじゃん(とにかくステージに立っちゃえよ)、タイミングが大事ですよ(受け入れられるかどうかか大事)、安価なギターでも問題ない(だって、ピックアップやアンプの音を聴くんじゃなくって、フレーズを聴くんだもん、客は)・・・って感じ。
これを作り出すまでに苦節何年で・・・なんていう浪花節よりも、フレーズ一発で感動させてみろっていう話なんですな、結局。

うーーん、ロック的なプログラマを目指したいもんです。