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電子楽器、音楽、コンピュータ、プログラミング、雑感。面倒くさいオヤジの独り言

ロボットで人間を知る

WiredNewsに”人間に怯えるロボットで911以降の状況を示すアート”という記事があった。
人の存在に気づくと興味深そうにするが、近づきすぎると取り乱す動きをするらしいが、作者が知りたいのは、この感情のない機械に人間が向かい合った時にどのような感情を生じるかを観察することにあるという。
人間特有の恐れの感情や、妄想、擬人化がどのように起こるか?を解明するために、意味深な(その実非常に単純な行動をプログラムされているだけの)ロボットや、シンプルなアルゴリズムで記述されたプログラムを使うというアイディアは好みだ。

昔話になるが、イライザという人工無能プログラム(質問や相槌、追加質問をランダムに被験者に回答するだけのプログラム)が精神治療に一定の効果を示したという話があった。
被験者「ねぇ、イライザ、最近私の夫がね・・・云々かんぬんで・・・」
イライザ「あなたの夫がどうしたの?」←疑問詞をつけて反復しているだけ
被験者「聞いてくれる?・・・・云々かんぬん・・・」
イライザ「良く分かりません。話を続けて」←定型文を挿入しているだけ
・・・・以下延々とプログラムによるカウンセリング(愚痴をだまって受け入れる)が続く。

日本人の会話のほとんどが相槌や意味のない同意などだという話をどこかで聞いたことがある。
コミュニケーションをしている風で、単純にフィーリングを確かめているだけ・・と。

こういう機械論的に心理面や精神面に何らかの傾向を確認するってのは、科学だと思う。