VS-2400CD大好きっ子として、様々な記事を書き散らしている私であるが、最新のレコーダの情報※があると一応気にしているのである。
特に、最近は録音だけじゃなく、
・Youtube Liveでオケをプレイリストに登録しておいて連続してロードしたいなぁ
とか
・リアルライブでマルチトラックオケを使いたいって場合にどうすんだ?
というな割と現実的な課題があったりする。
※ZOOMさんから、魅力的なR20だとかR12だとかもリリースされている。
■本稿の結論
録音はVS-2400CDがベスト。
配信用のオケはスマホがベスト。
ライブはTASCAMの8トラックか。
VS-2400CDを将来リプレースするならTASCAMの32トラック。
(ZOOMのR12は、高速に動作するなら良いけど中途半端かな。)
■ZOOM R12/R20
ZOOM R20 Multi Track Recorder | ZOOM (zoomcorp.com)
最初に「おお」と思ったのがR20。
「リージョンで管理して、ドラッグアンドドロップ、ええやん。」と思った。
R12 MultiTrak | ZOOM (zoomcorp.com)
で、次にR12が出て、「プロジェクトをプレイリストにできるよ。」と知り「おお、ライブ用のプレイリストが作れる」と色めき立った。
・・が
とあるYoutubeで実際にR12を使って録音の実演をしている動画があり、萎えた。
動作が遅すぎる。タッチ液晶の反応も悪い。
【パソコンいらない?】ZOOM R20 これ1台で録音からMIDIまでやっちゃおう!第189回【簡単ですね!】 - YouTube
島村楽器の記事によると、機能、性能はR12もR20も同じで、トラック数やハードウェアが違うだけとのことだ。
ZOOMの次世代型マルチトラックレコーダーR12とR20の違いをご紹介!|島村楽器 名古屋パルコ店 (shimamura.co.jp)
ちょっと試しに買ってみるか?と思うのがR12の方だが、インプットがしょぼすぎる。
せめてXLRで入れたい。
R20で1TBのSDを買おうとすると6万円近くになり「ちょっと試しに」のレベルではない。
それ以上に、新規プロジェクトを作成したり、レンダリングしたりでいちいち遅いのは致命的だ。
ZOOM R12/R20はないわ。
タッチ液晶でユーザビリティを確保するためには、音の処理がリアルタイムなのはもちろんのこと、強力な描画性能が必須だ。時期尚早。ハードウェアのボタンが少ないので、液晶が調子悪くなったら終わり。
■TASCAM DP-03SD ←これは良さげ
次に、「ええやん」と思ったのが、タスカムの8トラックマルチレコーダ。
トラックに(VS2400CDの)wavをインポートできるし、プレイリスト機能は無いが、ポンだしも簡単そう。
お値段的にも、ちょっと買ってみようかのレベル感。26000円。
インプットはXLRステレオで入れられるがアウトプットが残念。XLRで出したいなぁ。
「これ、マルチトラックオケでリアルライブをする時用に持っていてもいいかな。」
■TASCAM DP24SD/32SD ←これも良さげ
・・で「同じタスカムの最上位モデルてどうなん?」
と調べたら、こちらもお安い上にかなりの高スペック。
わずか45000円!(24の方は41000円。差額!おかしい)←Amazon
サウンドハウスさんは、32トラックで42800円、24トラックで32800円、さらにポイントが5%付くのでかなりお買い得。
衝動買いしそうになる。フェーダの数だけでクラクラくるね。
amazonのレビューを見ると、つまみ類が傷みやすいようだ。
SDの上限が32GBなので、8トラック相当てどれくらい撮れるのか?
→調べたら32GBでモノラル1000時間相当と書かれていた。8トラックなら125時間分。
10分の曲なら750曲か。悪くない。(Undo,Redoが無制限にできるので、その分でもっと少なくなる)
恐らくプロジェクトをUSBでHDDにバックアップする運用になるんだろう。
取説をじっくり読んで、買う気満々。w
■結局VS-2400CDがベスト(音楽制作の側面で)
・・とここまで見てきて、「やはりVS-2400CDには敵わないな。」と再認識した次第
(まぁ、VSにあれこれ手を入れる前に、調べて知っていた)
・VS-2400CDの良いところ(音の良さはもちろんのこと)
全トラックをタイムラインで見たいし、切り貼りもしたい。なんなら波形単位で切り詰めたりもしたい。エフェクトにも凝りたいし、音質の良さは当然だ。
何よりも、部品交換が効いて、内部を自分で触れるのが安心。
ムービングフェーダーから離れるのはなかなかしんどい。
起動も保存も早く、ハードウェアの信頼性も半端ない。
新たな機器で使い方を覚える(手に馴染ませる)スイッチングコストの問題もある。
・モダンなMTRへの持って行き方
VSのトラック情報をVSWaveExportで書き出して、TASCAMに貼り付けるのはどうか。
よし、次はこれをやってみよう。(TASCAMの8トラックを買うかな)
MIDIオケとベース、ギター、(ドラム)を抜き出して、ライブでリアルタイムにエフェクトやボリューム、パンを調整できる程度のまとめ方で。
■2000年以前が良い
デジタルレコーダって90年代が一番かなと思う。2000年以降は量産の専用設計で壊れたらアウトだし、スマホやPCのDAWを前提にした設計だとソフトウェアやCPUに依存していて、物理的なインタフェースが貧弱になっている。
機械・電気・電子工学的(=メカトロ)なノウハウの最盛期がこの頃だったのではないか?C言語が優勢であった時代なのかもしれない。想像だが。
ソフトウェアやGUIを求めるようになって、楽器も録音機器も「PCでいいじゃん!」※に対抗できなくなってきた。
※PCがいかにダメかは別の記事で書いた。
32GBもメモリがあれば、録音には十分で、ドットで文字やグラフィックを表現していた工夫もGUIによって台無しになった。(よりCPUパワーを音の処理以外にかけるようになったこれが最悪)
PC上のDAWでやっていることって、結局、誰かの波形のつなぎ合わせであったり、音楽の可視化だけなのではないか?演奏家は物理インタフェースを要求するし、外部機器のないPC DAWでは納得しないからフィジカルコントローラだとか、デジタルミキサーにコントローラとしての機能を求める。PCで音楽をするためにはオーディオインタフェースを準備して、デカいディスプレイとキーボード、マウス、鍵盤のコントローラを付けて・・・やたらとPCの周りにごちゃごちゃと機器をぶら下げて、ソフトウェアのアップデートだの、クラウドサービスだの、アンチウイルスだの、OSのアップデートだの。
「音楽をやってない!」